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鷹渡りを見たいと思ったのは、もう、かれこれ5年ぐらい前になる。
野鳥を心から愛するネット友のシューさんのBBSで、『今年も渡りが始まりましたね』
『今日はサシバの渡りが見られましたよ』『渡りは、壮大なロマンですね』
なんて書かれているのを見て、とても興味を持った。
もともと、渡り鳥に、自然の神秘を感じていたからと言うこともある。
わたしにとって渡り=旅というイメージがあったけれど、実際、鳥たちにとって
渡りとは命を繋ぐために繰り返される、生命をかけた旅なのだと思う。
 
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こうして、“鷹渡り”を見たい、見たいと思いながら、9月半ばの山を歩いては、
いつも空を見上げていたのに、ずっと見れずに来たのは、ひとえにわたしの勉強不足によるものだった。(^_^;)
わたしは、見晴らし良い山なら、どこかで見れるのではと思っていたのだった。
けれど、鷹は、気まぐれで飛び立っている訳ではないのだと言う事をやっと知った。
鷹の渡りとは、ちゃんと航空力学みたいな理由があっての事だった。

まず、鷹が渡る場所は、上昇気流が生じやすい地形であること。
鷹は、上昇気流に乗って、羽ばたかずにどんどんと高度を上げる。(これを帆翔と呼ぶ)
ある程度の高度まで上昇した時、今度はグライダーのように、空を滑空する。

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>高さをどれだけの移動距離に変換出来るかを滑翔効率と言うそうだが、ノスリの滑翔効率はおよそ11・・・高さの11倍の距離を滑翔出来るらしい。

これは、ネット検索中に出合ったサイトに書かれていた記述だ。
そのサイトさんによれば、上昇気流は陸上で発生し、水上では発生しにくいのだそうだ。
だから、タカは陸地沿いに飛び、海上は島伝いのコースをとることになるそうだ。
日本のサシバは琉球列島伝いにフィリピンに渡るのだという。

鷹の渡りには、上昇気流の発生しやすい地形や、上向きの風が生じる尾根沿いの通路などが不可欠なのだそうだ。次に、上昇気流が生じやすい、天候や時刻も限定される。
渡りに好都合な諸条件がそろった時、自ずとタカたちは同じ時刻に同じ場所に集まることになるのだという。

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そうだったのか!わたしは、目からうろこのような気がした。
ただ闇雲に、山を歩いていて、偶然の遭遇を期待しても駄目だということが良く判った。
一石二鳥で、見ようなんて甘い考えだったと思った。
わたしの住む地域で、鷹渡りが見れる場所は、“天覧山”だと、シューさんから教えていただいていたことを思い出し、「天覧山の鷹渡り」で検索したら、詳しく解説されたサイトも見つかった。
そこには、「秋の一日を棒に振るつもりで、ゆっくり眺めてください」と書かれていた。
今年は「鷹渡り」を見るために時間を費やしてみよう…と、素直に真剣に誓ったのだった。(^_^;)

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まずは実行あるのみ!!わたしは、遠い昔に、小学校の遠足で訪れた記憶を辿って、天覧山に下見に出かけた。
家から、約30キロほどだろうか。自転車で来るには、ちょうど良い距離だったし、山と思っていたその場所は、低い丘のような地形だった。
麓にある能仁寺というお寺からだと、ほんの20分もかからずに登ってしまえるほどだった。
わたしは、ちょっと回り道をして、谷津田のある高麗峠から登ってみた。

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高麗峠といっても傍らを国道が走るような街の中にあって、それでいて、国道や街を背にして、一歩踏み出せば、まるで別世界のような里山の風景が広がっているのだった。
高麗峠の入り口にはこんもりと茂る背の高い木があって、その木立の間を一筋の小道が続いている。
なんとなく、トトロの森みたいと思った。
関東ローム層の赤土の道は、子どもの頃に駆け回って遊んだ神社の森や、雑木林の中の小道を思い出して妙に懐かしかった。

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クヌギやコナラが多いような気がしたが、途中桜の木がたくさんあるところがあって、春は綺麗だろうなと思った。そんな小道にはひっそり石仏がが佇んでいた。

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木で刻まれた階段を少し息を切らしながら登ると、大きな木々に囲まれた広場にでた。

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ここが天覧山の頂上で、山頂を示す道標と、いわれを書いた看板が立てられ、細長い展望台が設けられていた。あっけなく、頂上に立てる割には、とっても見晴らしが良く、南東方向には飯能の市街地が広がっているのが眺められた。そして、平野部をはさんで、奥には丹沢から奥多摩、そして秩父へと山脈が青く連なり、見覚えのある奥多摩の山々が山座表で確認できた。

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「ふーん、こうなっていたんだった…」と、わたしは独り言を言う。子どもの頃、見慣れていた奥秩父の山々の連なりを思い出したからだった。今、わたしが住む場所からはまるで反対に見えることが何だか不思議な気がした。

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頂上をあちこち動き回った後、わたしは展望台から遠くを眺めた。
心地よい風が優しく吹いて絶え間なくわたしの髪に絡まる。
天覧山のある丘陵は、彼方の山に平行に伸びているような気がした。
きっと、こんな地形がこの地に上昇気流を生むに違いない。凄い!鷹渡りが見れる場所には、ちゃんと訳があったのだ。

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しばらく、展望台から見ていたら、トンボたちが気持ち良さそうに風に乗って飛んでいたし、2羽ほどカラスが渡っていった。鳶も一羽見ることが出来た。

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夏の名残りと、秋の始まりの、行き逢いの空を見上げて、眩しさに目を細めた。
鷹は見られなかったけれど、わたしは満足だった。翼に風をはらみ、青空を悠然と舞うタカの姿を想像しながら、わたしは山を降りた。 今度はきっと、旅立っていく鷹を見送ろう…。

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この山は、徳川綱吉の母が寄贈したという、羅漢が納められていることから、羅漢山とも呼ばれていたそうだ。低いながらも切り立った崖に、何体もの羅漢像が午後の光をまとっていた。

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麓の公園は、もう、桜モミジが始まっていた。

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エノコログサにも、金色の秋の光が…

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赤い木の葉に、色ずく秋の気配が…

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シロツメクサの花に、紅い桜の葉ひとつ…

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青き楓の葉に、夏の名残りの空蝉の光…

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彼岸花の赤い花が風を聴いていたのだった。

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2009.09.14 Mon l 里山 l COM(2) TB(0) l top ▲
みなさん、こんばんは。
この2週間あまり、昨年の獅子舞のレポートに取り組んできましたが、
今日、やっと、第6章 最後の芝 をアップすることが出来ました。

昨年から、思いを暖めていたのですが、写真が多すぎて、なかなか整理ができませんでした。
今回、最後の章の巻末に、各芝のアルバムをアップしました。
アルバムのタイトルをクリックし、アルバムを開いた後に、右端にある項目からスライドショーを選択していただくと、ご覧になれます。

拙い写真ですが、こうしてご覧になると獅子舞の各芝の流れが判るのではないかと思います。
よろしかったら、また、下のURLより、お入りくださいm(__)m

この獅子舞のレポートを下名栗の獅子舞保存会の皆様に捧げます。
素晴らしい獅子舞を今年もありがとうございました。

第6章 最後の芝
2009.08.30 Sun l 里山 l COM(4) TB(0) l top ▲
今回も、ホームページ更新のお知らせです。

獅子舞の夏2008 絆の夏の続きをアップいたしました。
まだ、全部完結していませんが、4~5章までを、お読みいただけると嬉しいです。

よろしかったら、下のリンクからどうぞ。

獅子舞の夏2008 絆の夏 4~5章
2009.08.26 Wed l 里山 l COM(0) TB(0) l top ▲
お盆を過ぎ、8月は夢のように過ぎていきます。
前半は雨の多い夏でしたが、やっと夏らしい日が帰って来ました。
夏の終わりには、獅子舞。今日(22日)と明日(23日)は、奥武蔵、名栗の里で古式豊かな伝統芸能の獅子舞が奉納されます。

2006年に偶然に巡り会ってから今年で4度目の獅子舞を明日観に行きます。
昨年の獅子舞レポを、何とかアップしたいと頑張ってきましたが、やっぱり間に合いませんでした。

とりあえず、前半のみのアップです。後半は、おってアップいたします。
一年遅れのレポートですが、名栗の人々の熱い夏、ご覧いただけると嬉しいです。

獅子舞の夏2008 絆の夏

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2009.08.22 Sat l 里山 l COM(3) TB(0) l top ▲
ねむの花咲く岸辺を歩いた。
合歓(ねむ)の木って、合い歓ぶ木と書く。
ふんわりとやわらかな薄紅色の花が、
風に揺れながら枝いっぱいに咲いていると、
まるで夢見る少女たちのようで、
憧れに胸いっぱいの歓びを囁きあっているような気がする。

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緑の葉陰に見え隠れしながら、木洩れ日に輝いていると
愛らしさに胸がキュンとなる。

涼やかに流れる川べりを埋めるように、
ねむの木の花の道が続いている、山里のこの道
ねむの木通りと名付けようか…

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小雨に咲けば、ほんのりと憂いを含んで
しっとりと想いがほどけていく…
わたしは、ファインダーから目を離し遠くを見つめた。
緑に煙る山あいの谷を、薄紅に染めて
ねむの花は夏を想い、夏を歌っている

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《画像を追加》
北海道には咲かないという、ねむの木
HALさんに、見ていただきたいので、去年の画像ですが追加します(*^_^*)

光に透けて
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枝いっぱいに、淡い花を付けています。遠くから見ると薄紅色の雲のよう…
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枝先が、ゆっくりとしなやかに風に揺れます。こんな風情がとても素敵な花です。
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花の時期は2週間ぐらいですが、一番綺麗な時は、おそらく2~3日ぐらいかもしれません。
去年は、枯れた花がない、一番綺麗な時に見ることが出来ました。
今年は、ちょっと過ぎてしまい、枯れたお花が目立ったので綺麗なところだけ、アップで撮っています。
2009.07.28 Tue l 里山 l COM(6) TB(0) l top ▲