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1年近く、綴ってきた SOMEDAY でしたが、とうとう、容量を使い切ってしまいそうです。
このカゲロウ谷を最後に、SOMEDAY は、終了することになりました。
いままで、たくさんの方に訪れて頂ありがとうございました。
そして、心のこもったコメントもたくさんいただき、わたしの大切な宝物です。
思い出の詰まったSOMEDAYは、今後は、わたしのホームページのコンテンツの中に、過去のブログの中に残しておこうと思います。

みなさん、今まで暖かく見守ってくださり、本当にありがとうございました。
10月からは、新たな気持ちで、新しいブログ“風立ちぬ”を綴っていきますので、よろしければ変わらずにお付き合いくださると嬉しいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

        風立ちぬ

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2009.10.07 Wed l 日々の想い l COM(0) TB(1) l top ▲
アイリスと高速を飛ばして、山梨までマーガレットとてっちゃんを迎えに行った。
さわやかな秋空の下で、ススキの穂がしなやかに風に揺れ初々しく輝いていた。
道路の上をチラチラと舞いながら、時折、蝶たちが横切っていく。
モンシロチョウやキチョウだったり、ヒョウモンチョウやアカタテハだったり…
蝶たちはどうして、こんな激しい往来の道路を横切っていくのだろうね…
向こうの草原に何があるんだろう?卵を産もうとしているのかしら…

高く、トビが渡り、セキレイも波を打つような飛翔で飛び立っていく。
あっという間に過ぎ行く車窓なのに、そんな生き物たちの営みがわたしたちの心を捉えて離さないのだった。

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『空は真っ青…風も気持ち良さそうだね。もう、すっかり秋だね。』と、アイリスがつぶやく。

彼岸花が森影に赤く咲いていた。
そして、金色に実った田んぼの畦にもキラキラと輝くように咲いていた。

「子どもの頃お彼岸でおばあちゃんの家に行くと、彼岸花があぜ道に点々と咲き続いていたのよ。お墓に向かう道すがら、紅い火が灯っているような気がして、怖いなぁって思ったのよ。
今でも、その気持ちは残っているけれど、田んぼの畦に、金色の稲穂をバックに一叢、二叢と咲いていると、凄くいいなぁって思うのよ。何だか日本の原風景って感じ、写真に撮りたいなって思ったりするのよ。」と、わたし。

『でも高速じゃ、車止めてあげられないよ。』と、アイリスが笑う。

「ススキの穂も、今頃の出たばっかりのがいいね。野菊が楚々と咲く森の小道もいいし、大好きなのは夏だけれど、それとは別に、やっぱり自分の生まれた月は落ち着くよね。」と、わたし。

『うん、判るよ。わたしも秋が一番好き、そのなかでも特に好きなのは、自分が生まれた11月だもの。』とアイリスが言う。
やがて富士山が車窓に広がってきて、マーガレットの家に着いた。

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てっちゃんは、ほっぺが落ちそうなくらいふっくら笑顔…
先日は泣かれてしまったけれど、今日は大丈夫のようだった。
マーガレットとてっちゃんを乗せ、車はとんぼ返り…
帰り道、ショッピングモールに立ち寄り、お買い物をしようという事になった。
娘たちと一緒に買い物をするのは楽しい。おかあさんのお誕生日だからと、アイリスがお昼をご馳走してくれた。ありがとう♪

そして夕飯は、息子がご馳走してくれた。
てっちゃんがいるので、外に行くのは止めて、家ご飯、わたしの好きなお寿司だった。
ありがとう♪

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『おかあさん、ケーキもあるからね。』息子はケーキ屋さんに予約で頼んでおいてくれたらしい。
『プレートにメッセージを書きますので、何て書きましょうか?って、聞かれて、“おかあさん、お誕生日おめでとう”と書いてくださいって言うのが凄く恥ずかしかったよ。』と、笑いながら言っていた。

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ロウソクを立てて、明かりを消して、みんなで『おかあさん、お誕生日おめでとう!!』と、声を合わせてくれた。ふーっと、ロウソクを吹き消して…「みんな、どうもありがとうね!」
てっちゃんは、目を丸くしていた。(笑)

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マーガレットが、青い紙包みを、そっと差し出した。
『おかあさん、ほんの気持ちだけなんだけれど、お誕生日おめでとう!』
「え、そんな気を使わなくても良かったのよ。開けてもいい?」

青い包みは、マーガレットがラッピングしたのだろう。可愛らしいシールで止めてあった。
そっとシールを剥がし、包みを開いた。
「わぁ~♪すごいじゃない!ありがとう!可愛いい!」
それは、てっちゃんのポートレートだった。

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『何にしようかなと思ったんだけれど、おかあさんが喜んでくれるかなと思って…でも、全然、お金かかってなくてごめんね。』と、マーガレットがすまなそうに言った。
「そんなこと無いよ。とっても嬉しいプレゼントよ。ありがとう♪どこに飾ろうかな」
『おねえちゃん、やるじゃない♪』と、アイリスも言った。

わたしの誕生日に何か贈りたいと思い、一生懸命考えてくれたのだろう。
写真を選びながら、作ってくれたマーガレットの姿が浮かんできて胸が熱くなってしまった。

マーガレットとてっちゃんは、3日間滞在し4日目にアイリスとわたしで、山梨まで送っていった。
その間、わたしは充分、てっちゃんとスキンシップを楽しんだ。
そして、娘たちと買い物を楽しんだり、一緒に食事をしたり、楽しい3日間だった。

ふと、子どもたちが小さかった時の誕生日を思い出した。
一歳のお誕生日からずっと、欠かさずにお誕生日のお祝いを重ねてきた。
家族のメモリアルだと思った。そして、子どもたちが大人になって、いつか、同じように、わたしの誕生日を祝ってくれるようになった。
こうして、ずっと、年を重ねていけたなら、とても幸せなことだと思う。
家族に、そして、父母に感謝したのだった。

帰る日の朝、てっちゃんは、ご機嫌でみんなに笑顔を振りまいた。
ちょっとの間なら、こうして一人でお座りもしているのだった。

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2009.09.24 Thu l 日々の想い l COM(11) TB(0) l top ▲
「あっ!アオスジアゲハが、煌めきながらクスノキの繁みに入った」
夏の朝の出勤時、もう何年も前から、時々そんな光景に出逢っていた。。

黒い翅に美しいコバルトブルーのラインがはいった蝶
ステンドグラスのように透き通ったそのラインが、
熱く照りつける真夏の日差しの下で輝けば、なぜか、わたしに南国の海の色を思わせる。そして、スピード感あるすばやい飛翔に、ドキッとぢて、いつも魅了されてしまう。
わたしは、クスノキの街路樹の下に立ち止まって、もう一度あのときめくブルーラインが見れないかと見上げてしまうのだった。

アオスジアゲハの食草はクスノキの葉だというから、きっとこのクスノキに卵を産み付けているのかもしれない。
こうして、毎年、アオスジアゲハに逢えると言う事は、ずっと命が繋がっているのだと思う。

たった、それだけのことなのだけれど、ぱっと、こころがときめいてしまう。
そして、こんな歓びを教えてくれたあなたのことを考える。

街の通りを煌めきながら飛翔してゆく蝶を見かけたら、
きっとあなたも立ち止まっていると思う。今のわたしのように…

2009.09.12 Sat l 日々の想い l COM(2) TB(0) l top ▲
8月12日~25日の期間で、銀座松屋で、熊田千佳慕さんの絵画展が開催されていた。昆虫を細かく観察した精密画で知られる画家で、日本のプチファラーブルと世界でも賞賛されている。
今年で99歳になられたが、いまだ眼鏡は使わずに絵筆を握る。
幼い頃、病弱で、虫と遊ぶのが好きだったそうだ。父親から教えてもらったファーブル昆虫記が愛読書で、いつしか自分の絵でファーブル昆虫記を書いてみたいと思うようになっという。
60歳ごろから描き始めたファーブル昆虫記の昆虫の絵がライフワークとなり99歳になった現在も描き続けている。

良く観察し、見極めてはじめて書き始めるという絵は、細い筆の筆先の毛数本のみで描かれ、1枚を書き上げるのに3年を要することもあり、緻密でリアルな画法と美しい色彩にあふれた表現力が素晴らしい。

熊田さんの絵は、とてもリアルなのに、なぜかとてもファンタジックで、その不思議な美しさと、優しさと温かさに、まるで魔法のように観るものを惹きつけて止まない。
わたしもまた、熊田さんの魔法にかかったひとりなのだった。
熊田さんの絵画展が開催されることを知って、絶対に行こうと心に決めていた。

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8月12日、絵画展初日、わたしは久しぶりに都心へと向かった。
今日は銀座の絵画展のあと、浅草界隈を歩いてみるつもりだった。
くまちかさん(熊田千佳慕さんの愛称)の絵画展は、開場と同時に、大勢の人々が訪れた。改めてくまちかさんの人気を物語っていると思った。
わりとご年配の方が多かったように思う。みなさん、それぞれの作品の前で足を止め見入っていた。
わたしも、一つ一つの作品を、じっくりと鑑賞することができた。
どの作品にも、虫に対する溢れる愛情と細やかな観察眼の賜物のリアリズムが、まるで生きているように生き生きと描かれていた。
絵本作家としても知られていて、代表作に、“ミツバチマーヤの冒険”“不思議の国のアリス”“オズの魔法使い”“ピノキオ”“ライオンのめがね”などがあり、それらの挿絵も展示されていて、丁寧に描きこまれた精密画の手法で、メルヘンの世界を作り出しているような気がした。子供たちに夢を与えてくれる素晴らしい挿絵だった。
もしかしたら、わたしも子供の頃、そのどれかの絵本に出逢っているような気がするのだけれど、はっきり覚えていないが残念だった。

約2時間かけてじっくりと作品を鑑賞した。こんなにゆっくりと一つ一つの絵を鑑賞したのは久しぶりのことだった。
そして、会場で上映されていたくまちかさんのビデオも拝見した。
横浜の郊外に借りた古い小さな民家、6畳一間の小さな部屋で寝起きし、それがくまちかさんのアトリエだった。飾らない質素な暮らし向き、清貧という言葉が浮かんだ。
奥様もご高齢だが、共にお元気で暮らしている。
くまちかさんの部屋には網戸がない。一年中開けておくから、いつもいろんな虫が遊びにやってくる。
夜になれば、部屋の明かりに引かれて、甲虫たちもやってくる。
「灯りの周りをくるくる廻っているうちに、ほら、目を回して落っこちてしまうんですよ」と言いながら、愛おしそうに指でカナブンの背中を撫でる。そんな仕草がなんとも自然体で素敵なお二人だった。
90歳の頃、奥様のご病気で一時、絵が全く描けない時期があったという。
その時を振り返って千佳慕さんは、穏やかに語った。
『誰でも、人生の中でそのような時期があるものです。それは、神様がお与えになった試練の時なのだと考えます。その時期を一生懸命頑張って乗り越えた時、後は、面白いように絵が描けるようになりました。』

わたしは、その言葉を聞いて、千佳慕さんの絵が、こんなにも人の心を惹きつけて止まないのか判るような気がしたのだった。
千佳慕さんの絵には、生き生きとした命の輝きが溢れていて、その輝きが見る人の心に生きる勇気と愛を与えてくれているような気がした。
とても充実した良い時間を過ごした。今日の目的は、もう、半分以上叶い、後はおまけのようなものだと思いながら、地下鉄で浅草へ出た。


浅草に来るのは何年ぶりだろう。浅草寺界隈は、相変わらずの賑わいだった。

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雷門のこの大きな提灯は、下町という雰囲気を感じてとても好きだ。

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仲見世のアーケード街に軒を連ねる、昔ながらお店。
 
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どのお店も、古い佇まい。今では懐かしい雰囲気だけれど、昔は活気に満ち溢れていたのだろうなと感じた。今も観光客の大勢の人の流れを見ていると活気があっていいものだ。
夏らしいとても暑い日だった。アーケードの屋根に木立の影が映りこむ。

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五重塔に、陽射しが動く。

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久々に夏らしい青空に輝く

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境内は大勢の人々で賑わっている。

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屋台のお店もいくつか出ていて、下町のお祭り情緒もあったりして…

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浅草寺は改装中だったが、屋内はお参りすることが出来た。

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天井に書かれた天女や龍、鳳凰の絵が美しい。

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鳴き龍かな?
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荘厳な感じのする祭壇?(何と言うのだろう?知識がなくて…)
大寺院の風格がある。

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何本もの柱には、小さな灯りがともる。

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浅草寺を後にして、下町散歩に出かけた。

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ジャパーニーズ・オープンカフェみたいな、出店が続く裏通り。

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いきのいいおにいさん、おねえさんたちが、呼び込みをしていた。
『休んでいきなよ!ビールが冷えてるよ!』
屋台で乾杯する人も、食事する人も、みな朗らかでたのしそう!

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「天国」なんて、ホットドック(*^_^*)

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寄席があるのも、浅草らしいな。

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浴衣姿の娘さんたちを乗せた人力車の青年。なかなか風情がある。

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快活な感じの娘さんたちもまた、粋です。

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おや?街角になにやら懐かしいお顔の看板がいっぱい。

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デンスケさんをご存知の方もいらっしゃると思う。、子供の頃、お昼頃のテレビで、でん助劇場と言うのをやっていた。懐かしい。

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花屋の店先で、立ち止まる。

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ブーゲンビリアのビビットなピンク

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ガーベラの元気なオレンジ

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海のような青いリンドウ

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太陽のようなヒマワリ

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水上バスを見たくて…

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桟橋に向かう

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青空に聳えるビルと、首都高

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○○○ビールだったかな?

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水面の光がゆらゆらと水上バスの下を流れる。

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時間が来て、水上バスはゆっくりと川を走っていった。

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水上バスの中から僕を見つけて
観光客に混じって笑って手を振る
そんな透き通った景色を
僕の全部で守りたいと思った …♪ミスチルの歌を口ずさんだ。

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カモメは高いビルまでも上昇していった。

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波間に浮かぶカモメも…

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いつか水上バスに乗ってこの川を遡ってみたい。
2009.09.11 Fri l 日々の想い l COM(6) TB(0) l top ▲
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秩父へと向かう山の中の峠道…
ここを通りかかる時、いつも気になっていたことがある。
森の中にプラネタリウムの施設があるらしい。
駐車場の看板に、夏休みの土日は、2時から上映されると書いてあった。
それを見て、わたしたちは、同時に「行ってみようか?」と言った。
時間も、後20分ほどで開演時間だからちょうど良かった。
杉木立の中の急な坂道を登っていくと、円形のプラネタリウムの建物が目に入った。
森の中ではキャンプなども出来るようになっているらしい。
川遊びを終えた子どもたちが、水着姿のまま、わたしたちと一緒に坂道を駆け上がっていく、やっぱりプラネタリウムを見に行くらしかった。

受付と書かれた窓口に行くと、感じのいい青年がにこやかに対応してくれた。
『大人2人ですか?一人、100円で200円頂きます。』
わたしたちは、いまどき、100円?とびっくりした。
子どもは、なんと、50円だった。
青年は、引き換えのレシートを渡し、プラネタリウムの入り口の係員に渡してくださいと言って『ありがとうございました。』と頭を下げた。
もう、この時点で、わたしたちはキツネにつままれたような気持ちになっていた。
まるで、宮沢賢治の童話の世界に迷い込んだような気がする。

青年が指し示した方の玄関を入ると、何だか妙に懐かしい感じ…
ここで、靴を脱ぐらしい。目の前には古めかしい木の下駄箱があった。
その側には、木箱の中に山積みになったスリッパが入れてある。
『何だか、小学校の昇降口みたいじゃない?』そう言われて、「わたしも今そう思ったところよ」と答えた。

廊下をプラネタリウムの入り口へと歩いていくと、左側に体育館のような広々としたロビーがあった。
小さな子どもたちが、嬉しそうに走り回っている。きっと、子どもたちにとって、とても広い空間なんだと思う。
子どもって、こういう広い場所があると嬉しくて走り回らずにはいられないんだと思う。判る気がするな。
お掃除をしても、これだけ子どもたちが行き来をしていれば汚れてしまうのだろう。
何処と無く埃りっぽい感じも、ちょっと古ぼけた感じも、何だか小学校を連想させた。
不思議な空間だった。
わたしたちは、2~30人ほどの子どもと少しの大人たちに混じって、プラネタリウムの入り口を入っていった。
そして、係員の女性に誘導されるままに席に着いた。
「何だか、キツネの幻灯会に招待されたみたいな気がするね。」
『うん、銀河鉄道の夜みたいな気もするね。』
まるでタイムスリップして、小学生に戻ったような気がしていた。
わたしたちは、たぶん、同じ感覚でワクワクしていたんだと思う。

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まるで惑星探査のロボットのような機械は28年前のものだという。
星座が映し出されるスクリーンになる球形の天井も座席も古いものだった。
数年前、近代的なプラネタリウムに行ったことがあるが、そこの座席は自動リクライニングシートで、解説も自動音声だった。
ここのは、全てが古めかしい。。。

やがて上映が始まった。係りの女性が解説をしてくれた。
『太陽が西の空へと沈んでいくと空はだんだんと暗さを増し、星たちが姿を現します。
まだ、少し明るいですね。もう少し時間を進めて見ましょう。みなさん、目を閉じてください。
わたしが3つ数えたら目を開けてみてください。』
そんな言葉にうながされ、素直に目を閉じ、再び目を開けた。
数え切れないほどの星々が、天空から降るように瞬いていた。
わたしたちは、子どもたちと一緒に、わぁ~!っとため息を漏らした。
プラネタリウムの機械が古いからか、幾分、ぼんやりとした光だったけれど、
それがかえって、やわらかく感じ、星たちが優しくささやいているような気がした。

『北の空に輝く7つの星を探してみましょう。フライパンのような形、これを北斗七星といいます。
フライパンの縁になっている2つの星を結んで、そのまま5倍伸ばせば、そこに北極星があります。北極星は北を示しているので、昔は方角を知るのに大切な役目をしていました。

北斗七星の反対側に同じような六つの星があり、こちらを南都六星と呼んでいます。
これは中国の呼び方で、星座の名前は、北斗七星は大熊座、南都六星は射手座にあります。
この射手座を中心として、白くぼんやりと見える帯があります。これを天の川と呼んでいます。
天の川はたくさんの星屑で出来ていて、わたしたちの地球を含む太陽系は「天の川銀河」と呼ばれる銀河の一員です。
わたしたちは、この銀河を内側から見ているために天の川が天球上の帯として見えるのです。

それでは射手座の星座絵を出してみましょう。弓を持っているのは、ケンタウロスと言いいます。
その弓が指す方向の南の空には、天の川に大きくかかるS字型の星があり、これがさそり座です。
さそり座は夏の星座として親しまれ、S字のちょうど真ん中あたりに紅く輝くアンタレスという星があります。

天頂を見てください。天の川をはさんで、琴座と鷲座という星座があります。
この2つの星座は日本や中国では、織姫星(織女星)彦星(牽牛星)と呼ばれていて、七夕伝説があります。琴座にはベガ、鷲座にはアルタイルというひと際明るい1等星があります。

そしてもう一つ、天の川には白鳥座と言う大きな十字を描く星座があり、この星座にもデネブと言う1等星があります。天の川にかかるこの3つの星座のそれぞれの明るく輝く一等星を線で結ぶと大きな三角形ができます。これを夏の大三角形と呼んでいます。

それでは、さらに時間を動かして、もっと遅い真夜中の星座を写して見ましょう。
さぁ、夏の大三角形は、少し動いていますね。さそり座は西の空に沈もうとしています。
これは、わたしたちの地球が自転しているから星座が動いて見えるのです。

さらに時間が経ちました。そろそろ冬の星座が見え始める頃ですが、地球は太陽へと向かうので星たちの姿は消えてしまいます。ですから、夏には冬に見える星座を見ることが出来ないのですね。
東の空が白んできました。朝焼けのあと、やがて青空が広がります。朝になりました。
みなさん、星座の旅はいかがでしたか?プラネタリウムの星空も綺麗ですが、本物の星空はもっと綺麗です。夏休みでどこか星の綺麗なところに出かけたら、ぜひ、夜空を見上げてくださいね。』

まるで、夢でも見ていたように、わたしたちは外に出た。
ほんとうにキツネの幻灯会だったんじゃない?宮沢賢治の童話の“雪渡り”を想った。
あのお話は真冬だけれど、真夏の幻灯会って言うのもありだと思うよ。と、
わたしたちはそんなことを言い合った。

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タイムスリップしたみたいだよね。だって、いまどき、100円じゃ、缶コーヒーだって買えないものね。
時計を見たら、30分ほど時間が経っていた。本当に価値ある100円だったと思った。
木漏れ日の坂道を降りていくと、森の中に水色の紫陽花がまだ綺麗な花を咲かせていた。
どこからかヒグラシの声が聞こえてきて、ふっと梢を見上げると、キラキラと蝶が舞いながら降りてきた。

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あっ!サカハチチョウの夏型だよ!なんていいタイミングなんだろう。
だって、この蝶の翅の上には無数の星が瞬いているとわたしは思っているのだった。
何枚か写真を撮ってから、そっと手を差し伸べてみたら、蝶はゆっくりと、わたしの指先に乗ってくれたのだった。

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指先に感じる軽やかな蝶の重みが愛おしい…

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しばらくの間、蝶はわたしの指先にとまっていてくれた。
夢のようなプラネタリウムの余韻に浸りながら、わたしたちはしばし蝶と戯れたのだった。

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2009.08.01 Sat l 日々の想い l COM(6) TB(0) l top ▲