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御嶽駅から、川井駅に向かって走ると、広々とした川原に出る。
急峻な渓谷、緩やかな浅瀬、多摩川はその流れ模様も変わり往く。

キャンプ場などがあるこの辺りは、緩やかに蛇行して流れている。
多摩川は、穏やかな顔を覗かせる。

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浅瀬には小さな魚たちの影もたくさん…
何年も前の秋の日、そぞろ歩いた記憶が蘇る。あの日もこんな秋…

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せせらぎの里美術館は、ひっそりとした佇まいで、そんな川岸に建っている。

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扉を開けて中に入ると誰もいない。受付の女性が一人いるだけだった。
『どうぞ、ゆっくりご覧ください』そう言って、女性は机に向かった。
わたしは、会釈してゆっくりと歩き出す。

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窓から差し込む午後の日差しが、長い影と光を投げかける。

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自在鍵の囲炉裏端に、移ろう日差しが、ゆっくりと時を刻んでいた。

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せせらぎの音がゆっくりと流れてくる川に面した窓辺。

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仄かな明かりの展示室

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木の床と、丸木の手すりの温もりとを感じながら階段を巡る。

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落ち着いた雰囲気の書の展示

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写真の展示

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この緑深い湖の写真が素敵だった。

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小さな美術館の静かな空間を堪能して、わたしは外に出た。

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川面には夕暮れの光が差して、ススキの穂も輝いていた。

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ヒメジョオンも秋の光…

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川原の草も輝いて…

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ノコンギクの花も咲いて、

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秋明菊も、咲いている。

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山に向かって背伸びしていたコスモスの花一輪…

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やがて川面がきらきらと眩く輝きだした。
光を乗せて流れる川、光る川、
いつか奥秩父の川面で見た夕陽の川が懐かしく思い出されて
胸がきゅっと、甘く微かな痛みにきしんだ…

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さぁ、美術館を巡る小さな秋を見つける旅を終えて、思い出を連れて家に帰ろう。

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2008.09.27 Sat l 未分類 l COM(2) TB(1) l top ▲
しっとりとした秋の日は、どこか空気も澄んできて、アウトドアなわたしも、たまにはインドアな一日を過ごしたりして…^^;

奥多摩には、小さいけれど素敵な美術館がたくさんある。
その中のひとつ、玉堂美術館とせせらぎ美術館を、自転車で回ることにした。
静かな農村地帯を長閑に自転車を走らせれば、すぐにもキバナコスモスの群落を見つけて寄り道をしてしまう。

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朝露の名残りが光る花びら

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雫の中にも、さかさまの花風景が…

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次は、コスモスのお花畑

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咲き乱れる花が優しくて愛らしい少女のよう

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緑の中で咲いているのが素敵ね。

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草の中に倒れたコスモスも、健気に花を咲かせている。

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野にあるコスモスは、虫たちのお宿
イチモンジセセリチョウさんが、蜜を吸っていた。
晩夏から初秋にかけてこの蝶がたくさん目に付くようになる。

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ピンクのコスモスにも、チャバネセセリさん。
蝶の事を何にも知らなかった頃、この蝶は、蛾だと思っていたけれど、蝶の仲間だった。
よく見ると、大きな眼に短い触角が、なんとも愛らしく感じる。

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ホタルガも仲間入り、こちらは、れっきとした蛾の仲間だけれど、羽の白い模様をチラチラと回すように舞う姿が美しい。

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こちらは、草むらのハンターのクサグモ。
彼らは花陰に隠れていて、蜜を吸いに来た蝶たちを、その長い足でガッチリと捕まえてしまう。

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こんな小さな虫も・・・あなたは誰かしらね?

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翅の痛んだヒメウラナミジャノメさん。一生懸命飛んだんだね。

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ナナホシテントウ、いつもせわしなく動き回っているから上手く撮れないのだけれど、
今朝はまだ、草の上でじっとしている。寝てるのかしら?

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赤いほおずき…かわいい♪

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真っ赤な彼岸花が咲きだした。彼岸花はあぜ道に、一叢、二叢と咲く姿が好き…
うっすらと黄金色に実り始めた田の縁に、まだ一輪の彼岸花が咲いていた。
田園風景の畦に、灯りを灯しているような風景が、いつもわたしの心に浮かぶ。
それは、遠い記憶の中の風景なのかも知れないし、原風景なのかも知れない。
いつか、そんな心象風景の中の彼岸花を撮ってみたいと思っている。

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つい、寄り道をしてしまったけれど、御嶽小橋に着いた。

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雨のせいで、水量がいつもより多い感じの多摩川の流れ、いつ見ても美しいと思う。

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今日は、たくさんの人々がカヌーを浮かべていた。

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こちらは、御嶽大橋。
玉堂美術館の手前から眺められる風景だ。

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この多摩川の流れを愛した川井玉堂は、晩年までの10年間をこの地で過ごした。
玉堂の没後、美術館が建てられ、四季折々にさまざまな作品が展示されている。

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館内は、とても静寂で、落ち着いた空間だ。
小さな美術館ではあるけれど、気品があって、いつ訪れても、いいなぁと思う。

気に入った絵を撮らせていただいた。

ヤマガラ
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シジュウカラ、羽の膨らみ具合も良く描かれている。
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玉堂が15歳の時に書いたと言う写生。精巧で写実的で思わずため息。
その天才ぶりが伺える。


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金木犀
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葡萄、その粒の感じや渋い色合い、朽ち葉の感じが凄く繊細。15歳とは思えない。
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つゆ草、花色がとてもいい。
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葛…そうそう、このくらいの咲き初めが葛の花は美しい。
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秋のスケッチ、この木々の感じが好き。

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おお、熊!この熊さんは、ちょっとかわいい。

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この絵が素敵だなぁと思ってしばらく立ち止まってしまう。
うす紫の地に雪のように白いウサギと紫色の桔梗が映えて…

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短冊三枚一組で、ひとつの絵になっているらしい。
なんだか、絶妙な配置で素敵だ。

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これと似てるかも…
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窓に映りこむ石庭。隅に映った誰かさん、今日は自転車なので、およそ美術館には似つかわしくない服装です^^;
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石庭と言えば京都の龍安寺方丈庭園が有名だけれど、東京青梅の御嶽玉堂庭園も素敵でしょ?

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塀の外には、大銀杏があり、秋の紅葉の頃は借景が見事だ。
黒く見える建物は、大正時代からこの地に建つ老舗旅館の河鹿園。
お料理も、雰囲気も抜群で、お昼の懐石コースは、なかなかです。
四季折々にゆったりとした時間が流れていて、わたしの好きなお店です。

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石庭を見つめながら、和歌を詠む女性。風流です。

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今回の展示は、「晩夏から、初秋へ」でした。
9月23日からは、「水を描く」の展示だそうです。こうして四季によって展示物が変わります。
今回の展示で、わたしのお気に入りの作品をご紹介。

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長くなりました。玉堂さんがいただいた文化勲章を載せて、続きはせせらぎ美術館へ。

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2008.09.23 Tue l 未分類 l COM(6) TB(0) l top ▲
なんとなく
君に待ちたる 心地して
出でし花野の 夕月夜かな    (伊勢物語)

なんとなく、あの人が待っていてくれる様な気がしたので
花咲く野辺に出てみたら夕月が出ていました。

とても素敵な歌ですね。
想い人を、思い浮かべながら眺める月は、しみじみと心に満ちてくるのではないでしょうか?
秋の花野と言えば、まず、萩の花が心に浮かびます。
零れ萩…なんて言葉もあるけれど、枝垂れるように、零れるように咲いた萩の花
地面の上にも散った花びらが美しく降り積もる。
そんな萩の花越しに眺める夕月は綺麗だろうなぁと思います。
りりり…りりり…と鳴く虫の音も聞こえてきて、こんな宵に待っていてくれる人がいたら…。
なんて思うと胸がふいにときめいたりします。

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待宵…って言葉もとても好きです。
待宵草と言うのは、月見草の事。夕暮れの野原や川原にひっそりと花開く、
月光のように透明感のあるレモンイエローの花びらも、
ひっそりと、少し寂しげな花姿も、誰かを待っているような気がする。
“待てど暮らせど、来ぬ人の 宵待草のやるせなさ”
昔、母がそんな歌を口ずさんでいた。子供心に寂しげな花を思ったものでした。

でも、必ず来ることになっている人を待つ宵は、
きっと満ちてゆく月を見るように心も満たされていくような時間だと思います。
焦がれる人を待っている時間って、とっても幸せな気持ちだと思うから…。


目には見て手にはとられぬ月のうちの 
桂のごとき君にぞありける    (伊勢物語)


目では見ることが出来るけれど、手には取ることのできない月 
その月の中の光り輝く桂の木のような、遠いあなたであることだろう。

秋になると黄金色に色ずく桂の木
あの光り輝くような美しさを愛でて、昔の人は月の世界にある樹だと喩えたのかもしれない。
わたしも、この桂の樹がとても好きです。
水辺を好んで生える桂の樹、美しく色づいたこの樹越しに登ってくる満月を見つめたら
どんなに美しいことでしょう。
夏の水辺で青々と繁っていた、緑滴る桂の巨樹…
秋色のあなたにとても逢いたい。

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美しい中秋の名月を眺めながら、想いをめぐらす夜でした。
2008.09.17 Wed l 未分類 l COM(4) TB(0) l top ▲
山道を辿って上り詰めると、そこは奥武蔵の古刹“子の権現”
武蔵野で育ったわたしは、電車で40分程で行けるこの界隈の山を良く歩いた。
その後、青梅に住むようになって、奥多摩が身近な山となったが、最近奥武蔵や秩父に気持ちが向くようになった。
それは、わたしの山の原点と言える場所だからかもしれない。
奥多摩の山は渓谷と森林だとしたら、奥武蔵の山はたおやかな尾根と峠かもしれない。
似ているけれど、どこか異なる。そして、懐かしい…
わたしにとっては、ふるさとの山なのかもしれない。

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しばらく登ると、素晴らしく展望が開ける尾根に出た。
空気の澄んだ日は、遠く新宿のビル群も見えるという。
周りの山々が連なり、奥秩父の山並みへと続いている。
夏の名残りの小さな積乱雲が彼方に湧き上がり、きらきらと輝いていた。
秋色の空には夏の雲、秋と夏の競演だった。

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こんな道標も…

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そして、その道標のしたには、アザミの花一輪

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紅い翅の甲虫が、一匹

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アイリスが言う、「山の鬼」が数基…

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高圧線の鉄塔が、鬼に見えると言う。
ほんと、そんな感じ、♪つのつの1本、青鬼どん、つのつの2本赤鬼どん…♪
この歌、アイリスは小さい頃、凄く好きだったっけ…(笑)
確かに鬼に見える…(^。^)

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カエデの葉は、こんなにシックな色に染まりだした。

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赤ちゃんを抱っこした若いカップルが、何をかを語り合っている。
何だか素敵ね。

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子の権現へ続く参道、木陰の道に秋海棠は、良く似合う。

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タカサゴユリがここにも…

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参道の巨樹、二本杉だが雷が落ちて途中で折れてしまったそうだが、素晴らしい巨樹が聳えている。

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参道横のみやげもの屋さん。昔、おばあちゃんが店番をしていたことを思い出す。
そうそう、11月の雪が降りそうな寒い日に登ってきたら、『温まっていきなよ。』と、お店の中に上げてくれて、お茶を入れてくれた。
コタツに当たりながらお話を聞いた事を思い出す。
『毎日、下の村から登って来るんだよ』と聞いた事だけ覚えている。

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山門をくぐると仁王様が立っている。

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その奥には赴きのある茅葺屋根の本堂

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ここは、足腰の神様として有名なお寺だ。

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隣には宿坊がある。

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風が吹き抜けそうな部屋。ちょっと寛いで見たくなる。
そう言えば昔、剣道部の合宿とかやっていた。

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こんな流しも、昔の臨海学校の海の家とか、修学旅行の宿舎とかを思い出す。
タイル張りって懐かしい。

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クサギの花の甘い香りに誘われて、カラスアゲハがやってきた。

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せわしなく蜜を探して飛び回る。
ゆっくり止まってくれないから上手く撮れないよ…

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本堂に、赤いパンフレットが置いてあるのをふと目にして、わたしは手に取った。

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「手打ちうどん 浅見茶屋 昭和7年創業」
わたしは声に出して読んでみて、あら?っと思った。
突然、何の前触れも無く古い記憶が蘇った。
人の記憶っていったいどんなメカニズムになっているのかしら?
今まで、本当に今まで、ただの一度も思い出した事が無い事が、何かをきっかけにこうも鮮やかに蘇るなんて…

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それは、わたしが高校生の頃だったと思う。
数週間前に、一人で子の権現に登った時、頂上に続く車道があることを知った。
これなら、足の悪い母も車で登れると思った。
母は昔、子の権現に登った事があると聞いた事があった。母の思い出の山に連れて行ってあげたい。
そんな思いで、わたしは父に車で連れて行ってくれるように頼んだのだった。
きっと、登山道に平行して車が登れる車道があるに違いない。
ところが、それらしき林道を登りだしたら途中で道幅が狭くなり、どうにも車では無理そうな山道になってしまったのだ。
絶対いけるはず…と粘るわたしに、『これは、無理だよ。』と父母は困り顔だった。
ちょうどそこに、小さなうどん屋さんがあるのが目に入った。
およそ、食堂というイメージはなく、普通の民家の庭先と言う感じだった。
『ここで、うどんを食べて帰ろう。』という、父の提案で、わたしはしぶしぶ承諾したのだった。
今考えると、わがままで強情な娘だったなぁと思う。でも、足腰が丈夫になる神様だという子の権現にお参りをして母をもう一度子の山に立たせてあげたい一心だったのだけれど。

そのうどん屋さんを営んでいるのは、一人のおばあちゃんだった。
そして、そのおばあちゃんが打つうどんの味は、腰が強くて今まで食べた事も無いほどおいしかったのだ。
『こんなおいしいうどんが食べれて、今日はここまで来た甲斐があったわ。』
『本当に美味いうどんが食べれて良かった!今度また食べに来よう。』と、父母も喜んでくれたのだった。

それ以来すっかり忘れていたのに、ありありとそんな会話までも思い出されてびっくりした。
と言っても、同じお店だと言う保証は無いのだけれど、パンフレットに描かれた絵地図を見ていたら段々と同じお店だと思えてきた。わたしは確かめて見たくなって行ってみる事にした。
山門をくぐり子の権現を後にしたのだった。

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そして、昔の場所にそのお店はあった。
でも、随分昔と面影が違って、古民家を改装してとても素敵なお店になっていた。

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店内に入ると、懐かしい感じのする昔の民家の感じが良く残されていた。

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大正や昭和初期を思い起こさせるレトロな家具。

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音響は、ステレオから流れてくる心地よい音楽。
この柔らかい温みのある音源は、レコードなのではないかと思えた。

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こんな小物の演出も憎いなぁ…ドクターペッパーって飲み物を今の子は知らないだろうな。

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吉永小百合さん、浅丘るり子さん、えーと、後はどなたでしたか?
まるっきり昭和!!

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秋海棠咲き乱れる裏庭。

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店の若いオーナーが注文を取りに来た。
とても清潔感のある優しそうな青年だ。
わたしは思い切って、わたしの思い出の中のうどん屋さんかどうかを尋ねた。

すると青年は、『あっ、きっとそうです。昭和7年に、僕のおばあちゃんがこのお店を開いたんです。当時は、3畳ほどのスペースがお店で、こちらは子ども部屋とか生活する居間だったんですよ。
そのおばあちゃんは95歳で亡くなってから、お嫁さんだった青年のお母さんが後を継ぎ、今、またその息子の青年が会社勤めを止めて後を継いだそうだ。
『おばあちゃんが、せっかく始めたお店だから、残したかったんです。』と青年は笑顔で話した。
彼は、お料理さんで修行をしてこの店を継いだそうだ。彼がオーナーになってからはメニューのレパートリーも広がったと、彼の母親が話してくれた。
『そうですか、良く思い出して来てくださいました。嬉しいです!』と、彼は人懐っこい笑顔を向けた。

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川えびのてんぷら、美味です。

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ぶっ掛けうどん。麺の腰の強さは抜群のおいしさ。

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そしてデザートの黒蜜きな粉アイスは、たっぷりの氷で冷やされて冷たくておいしい。
こんな気配りが嬉しい。

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オーナーの彼は、『皆さんに喜んでいただけたらと家にあった古いものを並べてみました。』と言っていたが、こんな気配りがさりげなく素敵だ。

足踏みミシンまであった(*^_^*)古いものを大切にするって素晴らしい事だと思う。

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素朴な人柄もなんとも温かいし、お料理も美味しいし、お店の雰囲気もとても和める。
きっと、創業者のおばあちゃんも喜んでいることだろう。

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わたしは、不思議なめぐり合わせに感謝しながら店を後にしたのだった。
このお店が繁盛して、どうかいつまでも続いていって欲しいと思った。

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夏の終わりに秋の始まりを見つける旅はなんて中身が濃い旅だったのだろう。
そう思いながら、わたしは、紫美しいギボウシの花を撮った。
今年のギボウシを撮るのは、これが最後だろうと思いながら…

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2008.09.14 Sun l 未分類 l COM(10) TB(0) l top ▲
小さな林道を登り始める。知らない道を辿れば、そこには見知らぬ風景が広がっていた。
澄んだ流れを見下ろすギボウシの花に惹かれて足を踏み入れる。

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草むらのギボウシ、あなたは綺麗ね。
涼やかな晩夏の花は、さやかな水音を聞きながら咲いていた。

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そして、日向の石の上で、日向ぼっこをしているのはトカゲくん。
わたしもアイリスもトカゲは苦手じゃない。
いつも、「かわいい♪」と言ってしまう。変かしら…?(^_^;)

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小さな川は、白い水しぶきを上げて流れていく。
小さな段差に草生す美しさ。これぞ里の川という気がする。

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浅瀬には、水の中に草が生えている。

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とろりとした水の流れは、岩角で緩やかに膨れ上がる…

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そして、白く崩れてほとばしる…

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川の流れを遡る道を少し辿れば、

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懐かしい感じの山の家が見えてくる。

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山の暮らしが見えてくるような、どっしりと、土地に根付いたような山の家。
丸い石を積み上げた素朴な石垣も、緩やかな坂道を登る造りも、
青いトタンの屋根も、縁側も、庭先の物干し竿も、
みんな懐かしい暮らしの香りが残っている。

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家の前の草原に大きな石があって、その上は緑の草が生していて…
そんな小さな風景が、わたしには美しく思えて仕方が無い。

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ここでも、トカゲ君がひなたぼっこ。

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シオンには、イチモンジセセリ。

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熟れて落ちた柿の実にはスミナガシという蝶がいた。
今日はたくさんの虫や蝶に逢えるね。

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シックで深みのある藍色の翅の上に白い星を散りばめたような蝶。なかなか出逢えないこの蝶が、今日はゆっくりと翅を広げたり閉じたりしながら一心に蜜を吸っていた。

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閉じた翅の模様が撮りたくて、わたしは道路に顔を付けるほどかがんでシャッターを押した。
透き通るような翅の模様が、絞り染めのカノコ模様に見えてきた。

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表の田園風景とは一味違った山の暮らしがあるのだろう。少し山に入った林道沿いには、古い集落が続いていた。
無造作に、鹿の角に繋いだロープが、川岸にあったり

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細い石垣の道を登っていく段々畑…

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こんな橋を渡って

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ホウセンカの花が咲いていた。
「ねぇ、想像してみて…ホウセンカの花の前でおかっぱあたまの女の子がしゃがんでる。
ホウセンカの実を指で触るとパチンと弾けて種が飛ぶ。種が飛ぶのも面白いんだけれど、飛んだ後の殻が面白い形なの。くるんと反り返って丸まって、まるで扇のような形。
少女はいつまでも、いつまでも遊んでいる。そんな姿が見えるかしら?」

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この黒い実は、何の実かしら?
それはね、多分山吹の実じゃないかしら?
黒く光っている、何だかとっても綺麗ね。

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もう、シュメイギクが咲いている。

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なんとなく、巨人がいるように見えない?ほら、あの岩…

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こちらをじっと見てるよ…
ダイダラボッチだよきっと…

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古いお宅の土の壁に掛けてあるのは、何の道具かしら?
二股に分かれた木に、横木が何本も。見当がつかないね。

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車庫だってノスタルジックだね。

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あっ!千と千尋の神隠しって感じの神社があるよ。
苔むした鳥居も、崩れかけた石段も、その奥に聳える巨樹も、
この鳥居をくぐったら別の世界へ行ってしまいそうなくらい、古の雰囲気が漂っている。

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鳥居の隣に立っている民家も古い感じ、何代もこの地で生き続けているのだろう。

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恐々、古い鳥居をくぐると、ひんやりした空気が、どこか違うような…
静かな空間に、息づいているものに、包まれたような気がしてくる。

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苔むした巨樹も

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磨り減った石段も

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繁ったヤブミョウガの緑の葉陰に潜んでいるのは、ヒカゲチョウさん。

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アザミの花で会議中なのは、セセリチョウさん。

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ひんやりした空気は、山から滲み出てくるような、清らかな湧き水のせいかしら?

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湧き水が作った小さな池に、緑の木々が作り出す柔らかな光が差し込む。

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山懐の神社を後に、また林道を辿る。
キバナコスモスの向こうに…

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川の流れに沿うように…

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人々の暮らしがあった。

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青空が続く道を、歩き続けるその先には…小さな秋を見つける旅は、まだ、続きます。

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2008.09.11 Thu l 里山 l COM(0) TB(0) l top ▲
8月31日、最後の日曜日は、晴れた!
「夏の終わりに、秋の始まりを見つける旅に出よう!」
久しぶりに覗く青空を見ていたら、じっとして入られなくなった。
今日は、秋の七草を探してみよう。わたしは、奥武蔵へと向かった。

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途中の道すがら、小さな田んぼが続く田園地帯、きっとトンボやイナゴがいるはずだ。
立ち寄ると、たわわに実った稲穂の上をスイ~、スイ~っと、水色のシオカラトンボや、オレンジ色のアキアカネが気持ち良さそうに飛んでいた。

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稲穂に近寄ると、たくさんのイナゴたちが飛びあがる。
あちらからもこちらからも、ピョ~ン、ピョ~ン、…ピョ~ン、ピョ~ン、…
稲穂の上を小さな翅を広げながら跳ねてゆく様は、とっても長閑だ。
なんだか、子どもの頃の田舎の夏休みを思い出す。
「夏の終わり…そして、ちょっぴり秋模様…」
稲にしがみついた黄色いトンボを見つけた。羽化したばかりなのかな?
翅の先がまだ伸びきってないみたい。
(トンボに詳しい知人からシオカラトンボのメスだと教えてもらった)

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山の斜面の里の家の庭に、見事な百日紅(サルスベリ)の木があった。
たわわに四方に伸びた枝は、こんもりと美しい花をたくさん付けていた。
こんなに綺麗に枝垂れた百日紅を見るのは初めてのような気がする。
「立派な木だなぁ・・・」そう思ってカメラを向けた。

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『百日、紅く咲くから、百日紅と書くんだよ…俳句の季語でもあるんだよ。』
サルスベリの花を見ると、そんな父の言葉をいつも思い出す。
父は、「ひゃくじっこう」と呼んでいた。サルスベリと言う名もいいけれど、わたしは、「ひゃくじっこう」と言う名が好きだ。
目を細めながら見つめていた父の眼差しと、優しい話し方を思い出すから…

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ふわふわのレースのような花房に、手を伸ばしてそっと触れてみる。
少女の頃、垣根の百日紅の花に背伸びして触っていた事を思い出す。
なんとなく、手のひらの中で、さわさわと揺れるような気がする。
懐かしい誰かのこころに、指先が触れたような気がして、思わずドキッとする…
そして、目を閉じてもう一度、想いを込めて触れてみる。
いまでも、百日紅の花を見ると、わたしはこうして触れてしまう…

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道端の草むらには、小さな青い瞳…
つゆくさ、露草、月草…どの呼び名も好きだ。
「花びらの清々しいブルー、大好きな色だよ。」

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草むらの黄色い小さな花は、キンミズヒキ。
可憐な小さな花房を、風に揺らせている秋色の晩夏の花…

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葛の葉が、しなやかなツタを伸ばし始めた。うす紫の花がもうじき咲き始めるだろう。
秋の七草のひとつ、葛の葉越しに見る里の家。

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道しるべは、山へ誘う道。
山草の道…

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たくさんの女郎花(おみなえし)が咲いていた。こんなに咲いているなんて思わなかった。
秋の七草を見つけた。青い山並みに黄色い花が綺麗だった。

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道端に咲いた芙蓉の花が今日も綺麗だった。
こんな風に花びらに穴を開けたのは、だあれ?

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忙しそうに蝶やハチたちが蜜を集めている。
大きな瞳が愛らしいセセリチョウさん。アイリスは初めて蝶の写真を撮った時に、モデルになってくれたこの子が、ことの他お気に入りだった。

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ミツバチたちも、せっせと働いていた。

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顔が真っ黒で、お尻が縞々な君はだれ?クマバチかしら。
クマバチは、花の蜜を集める優しいハチだ。
体に似合わないほど小さな翅がまた愛らしい。。。

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このハチを見ると、いつも、クマのプーさんを思い出してしまう(*^_^*)
ほら、今日も、夢中で頭をおしべの中に埋めて蜜を吸っている。
花粉まみれだよ…(*^_^*)でも、そうやって、お花の受粉に一役買っているんだね。
今日も一日、花から花へ…ちいさなかわいいプーさんだ。

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タカサゴユリが一面に咲いている野辺に出た。
緑の草原に、本当にたくさんの白い花が清楚に咲き競っていた。

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里山の野辺や畑や田んぼの片隅なんかに楚々と咲いた姿は、とっても似合っていて日本の里山の花という感じがするけれど、本当は、外国生まれの花なんだって…

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高砂百合という、純日本的な名前が付いているけれど、あなたの名前は、リリーさんだったのかしらね?
外来種の花、でも、もう、日本の花に定着している。遠い空を思いつつ、里の晩夏を美しく彩ってくれるリリーさん、わたしはあなたがとても好きだよ。ありがとう…

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タカサゴユリの花たちの中に、たおやかなコスモスの花が咲き始めていた。
もう少ししたらこの草地は、きっと一面のコスモス畑に変わっているのかもしれない。

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“薄紅の秋の日に秋桜が、何気ない陽だまりに揺れている”
さだまさしさんの“秋桜”の美しい歌詞を思い出す。このフレーズ、本当に美しい…
コスモスの姿を見事に歌いあげていると思う。さださんは、詩人だなぁと思う。

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ヒメジョオンの花がひっそりと咲いている。
素朴な馴染みのこの花も、外国から来た花…
雑草と言われてしまうこの花だけれど、愛らしい。
『高嶺に咲いた美しい彼の花も、野道にひっそりと咲いたヒメジョオンも、共に美しい…
わたしは、野に咲く一叢のヒメジョオンが好きです…』
そう、言ったあなたの言葉を、わたしは今も忘れない。
季節ごとに咲く、一輪の野の花の美しさをわたしに気づかせてくれた人…
あなたのように、わたしも野の花を美しく撮ってあげたい。

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ちいさな星を散りばめたようなニラの花。ツマグロヒョウモンがやってきた。
南方系の蝶で、数年前まではこの辺りにはいなかったと言う蝶。
温暖化のせいか、どんどん北上しているのだそうだ。
人の論議など知らぬげに、健気な蝶は、生を全うしているだけなんだと、そう思う。

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カタバミの小さな花陰に、ちいさなハチや、ちいさなアリ、ちいさなシジミチョウ
ちいさき者たちの、ちいさな花園なんだね。
じっと見つめていると、そこはかとなく優しい気持ちが湧いてくる。

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いのちを受け止めている、いのちを繋いでいる、季節を謳っている…
ちいさなハチに、ふと、涙を誘われるのは、健気な生命の美しさなのかもしれない。

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草原にエノコログサが光っていた。
さりげなくて、何気ない、だけどわたしはこんな風景が好きだ。
道野辺の草原は、眩しい思い出を散りばめているような気がする。

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ススキの穂がしなやかな雄花を開き始めた。
ススキは秋の七草のひとつだ。
夏の終わりにちいさな秋を見つける旅は、まだまだ、続きます。

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2008.09.10 Wed l 里山 l COM(6) TB(0) l top ▲
雨に濡れた里山を歩いた。キバナコスモスが咲き乱れる里の家
あの日も、晩夏の通り雨に濡れていた。

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雨に濡れた花びらは、いよいよ色鮮やかで、わたしに夏の終わりを告げていた。
毎年、オレンジのこの花の色を見ると懐かしさと切なさが胸に寄せてくる。

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さざ波のように、緩やかに風に揺れる様が好き…
そして、今日のように雨に煙り、雫に濡れた様も好き…

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キバナコスモスとうす紫のハーブの花の中に、透明な真珠を繋いだようなクモの巣があった。
美しく飾られた住処で、眠っているようにじっと動かないクモがいた。

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やがて終える命だろうか… もう、夏が往くね。

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フヨウの花も晩夏から秋風が漂う初秋に咲く花…大輪の柔らかな花びらは、伸びやかで美しい
薄紅色の花色は愛らしいし、真っ白な花はとても清楚で好きな花だ。

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やはり里道に似合う花だと思う。雨の雫をまとった姿も美しくて、わたしは立ち止まって離れられなくなる。

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小雨に濡れるカメラを気にかけながらも、カシャ、カシャっとシャッターを切る。

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雨に煙る里の家。芙蓉の花陰に…

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晩夏に咲いた初雪草。白く縁取られた葉の姿が、粉雪を薄っすらとかぶったように見えるから…。
誰が名付けたのだろう、美しい名だと思う。

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昨年も出逢ったこの里道で、今年も咲いていてくれたね。
わたしはうれしさに思わず駆け寄った。

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夏の終わりの風景が、白く霞んで雨の雫に濡れていた。

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2008.09.05 Fri l 里山 l COM(8) TB(0) l top ▲