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初秋の風がわたしを誘う。
時折り日差しが零れる10月初旬、日原の集落を訪ねた。

今日は稲村岩も幽玄な墨絵の世界だ。まだ、紅葉は始まっていない。

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集落の高台に登っていくと、稲村岩を真正面に見える場所がある。
このロケーションはなかなか良い。今度、天気のいい日に撮って見たいなと思った。

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日原林道を、歩き始めた。この林道沿いには巨樹がたくさんあるのだった。
すぐに現れるのはトチの巨木。谷底から斜めに聳えている。
まだまだ、巨樹としては細いのかもしれないけれど、苔むした樹肌も、なかなかの貫禄だと思う。

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もう少し歩くと、日原川を渡る最初の橋の手前にも、かなり大きな巨木がある。
背が高すぎて葉っぱが良く見えなくて何の樹なのか、わたしにはいまだに良く分からずにいる。
今度、双眼鏡で観察して見なくてはと思う。まだまだ、勉強不足の樹木初心者だ。

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斜めに立ち上がる根っこも大きい。樹の根元が駐車スペースになっているのが、ちょっと残念だな。

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対岸の木々も少しだけ、色づき始めた樹も見受けられる。
この斜面が色とりどりの紅葉に包まれる日は、もう少し先だ。

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緩やかな林道を辿っていくと、美しい渓谷が絶え間ない瀬音を響かせる。
でも、今日は少し暗い…日差しが踊れば、キラキラと青い水が輝くのになぁ…。

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ヤマアジサイの名残りの花の向こうに、小さな赤い葉が…

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やがて川岸に巨樹の姿が見えてくる。でも、探そうとしなければ見失ってしまいそう。

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シダの繁る斜面を降りていく。

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ノコンギクの花咲く…

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石垣の名残りだろうか?以前はここに人々の暮らしがあったのだろうか?
それとも、山葵田の名残りなのかな?

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白波を蹴立てて流れる日原川とガニサワの出会い。
そんな川岸に、大木を挟んで佇むカツラの巨樹。
春夏秋冬、いくつもの季節を繋ぎ生き続けている。

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威風堂々としたその姿を見つめるたびに、わたしは言い知れぬ安らぎと勇気とを貰える気がするのだった。

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とうとう、雨が降り出した。わたしは巨樹に別れを告げ、帰ることにした。
ここのカツラは日照権が悪いせいか、完全に色づく前に葉が散ってしまうのだと読んだ事がある。
色づいた姿を見てみたいなと思った。

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雨のしずくが木々の葉を伝って滴り落ちる。

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先ほどの巨樹も見送ってくれた。

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日原本谷は、静かに霧に閉ざされていったのだった。

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2008.10.29 Wed l 山と森 l COM(2) TB(0) l top ▲
一ヶ月前の風景をふりかえった。
里山を飛んでいたトンボたちの姿はもうない。
美しく咲き誇っていた、コスモスももう終焉。
百日の紅を約束してくれたサルスベリもそろそろ実を結んでいる頃だろう。
晩夏の名残りの雲も、初秋の萩や葛の花も、今はもうない。
少し季節を振り返るのもいいかも…
そう思って、撮っておいた写真を眺めてみた。

サルスベリ

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白いサルスベリ

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空色号で里山を巡ったのは、9月初めのことだった。

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塩船観音の萩の花を見ようと思った。

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白萩が清楚に風に揺れる

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紅色の萩も零れるように咲いて、初秋の風情

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日差しを受けて、まだ夏の名残りに輝いている

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綺麗なウラギンシジミが舞い降りた…裏羽の白さが際立って綺麗だった。

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ラショモンカズラの紫が綺麗、千草咲く…初秋の里道

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両側から竹やぶが覆いかぶさるような細い坂道を登り、また、坂道を下っていく。
この道は彼岸花が咲き続く道だ。今年も咲くのだろうか?なんて思いながら走り抜ける。
この実は、ヌスビトハギの実?小さな草の実にも秋の風情が感じられる。

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フジバカマが咲く谷戸に行ってみた。昨年、アサギマダラに逢えた谷戸だった。
初夏には菖蒲園として賑わいを見せているが、今は訪れる人も無くひっそりと。。。
まだ、フジバカマの開花には、少し早かったようだ。

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睡蓮や葦が繁る池には、ガガブタという白い花が咲いていた。
始めてみる花にわたしは夢中になった。どうしても柵のこちら側からでは遠すぎて、

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ちょい悪、sizukuは、柵を乗り越えて池のほとりで撮ってしまった。(^_^;)

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こちらの黄色い花は、アサザ?かしら。やっぱり遠いなぁ。。。

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「あっ!」紺色に輝く翅を持ったトンボがひらひら飛んでいる。もしかしてチョウトンボだろうか?
わたしは、夢中でシャッターを切った。でも、なかなかじっくりと止まってくれない。
でも、同じところに回って来ては止まるようだ。柵によじ登ってシャッターチャンスを待っていた。

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初めて見たチョウトンボを初めて撮れた♪凄く嬉しかった。
綺麗!チョウトンボの翅が虹色に光っていた。どうして、こんな綺麗なトンボがいるのか、不思議でたまらなかった。そして、何となく、原始の姿をとどめているような、そんな生き物に見えるのだった。

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ガマの穂…これを見ると因幡の白兎のお話を思い出してしまうのだった。

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菖蒲園の中には木道が敷かれ、その下を川が流れていた。
橋の下を覗きこんだ風景。橋の上に寝転んで、頭だけ逆さに覗き込んでカメラのファインダーを向けた。橋から逆さに落ちそうだった(笑)
水に映ったさかさまの風景。

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川の中には、びっくりするくらいたくさんの小魚が泳いでいた。
ぼんやりとだけれど、魚が映っているのが分かるかしら?
家に帰ってきて調べたら「タナゴ」らしい。背びれに銀色の小さな星があって、体はほんのり赤みを帯びていた。タナゴが卵を産み付けると言う、ドブ貝も川底にいた。
かつては、里山の川に普通にいた魚だけれど、環境の変化で激減し、今は姿を消したという。
タナゴって絶滅危惧種の魚だとそうだ。ここで、繁殖させているのかもしれないと思った。

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ミソハギの花が咲き残っていた。この花を見ると懐かしい気持ちになる。
遠くを見つめているような、遠い昔を見つめているような…
何故か田舎の夏を思うのだった。

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トンボたちが気持ち良さそうに飛んでは、杭や、花の名前を書いた立て札に止まったりしている。

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シオカラトンボのオス、この青い体が魅力的。濃紺の目はサングラスをかけてるみたいね(笑)

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翅が透けて綺麗だった。

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赤いトンボは、マユタテアカネのオスだと教えてもらった。

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尻尾は綺麗な真っ赤だった。小さなトンボだ。

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遠くにオレンジ色の花がたくさん咲いている。

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ニッコウキスゲ?と思って行ってみたら、オレンジ色の彼岸花、リコリスという名前で、可愛い花だった。

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バッタ?イナゴ?君もこの谷戸の住人なんだね。

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開き始めたススキの穂が風になびいて綺麗に輝いていた。

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コスモスも美しい。

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キバナコスモスも…

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帰り道、夏のような雲が浮かんでいた。

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緑の川岸に咲くコスモスがとても美しかった。

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白い犬が歩いてきた。気持ち良さそう!

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大きな鯉が、たくさんいる。

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ニラの花

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キバナノコスモス

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コスモスの花の向こうに、段々と暮れゆく雲が美しかった。

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今は、もう、こんな雲は見れないと思うと、過ぎた季節が懐かしい。
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里山の初秋、秋と夏が同居する風景が見れて良かったなぁとしみじみと思うのだった。
深まり往く秋だけれど、初秋の風景と花たち、そして虫たち。確かに生きていたあの時…
2008.10.28 Tue l 里山 l COM(2) TB(0) l top ▲
わたしは、あなたの訪れを待っている。
あなたを最後に見送ったのは、3月の事…
長い旅を続けて、巡り逢うことができる、あなたとわたし
あなたは、どんな旅を続けてここへ来たの?
わたしは、いつもの日々を暮らしていたわ。
でも…いろんなコトがあったのよ。
たまには、疲れちゃったなぁ…って思ったこともあったわ。
今朝もそうなの…だらしないね。
今度、あなたに逢えたら、話すわ。聞いてくれる?

きらきらと、生まれたての朝の光が窓から射し込んでいる。
今朝も、シジュウカラたちが、綺麗な声で囀りを送ってくれてるわ。
秋の爽やかな空気が満ちている。
ときめきは、忘れていないわ。
つぶらな瞳のじょびこ
また、あなたに逢える日を、わたしは待っているのよ。
逢いたい…逢いたいなぁ。

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2008.10.27 Mon l 里山 l COM(0) TB(0) l top ▲
白丸湖の湖面を眺めつつ、遊歩道をてくてく歩いていく。
たまには、こんなのんびりとした散策も心癒されるものだ。
ほんの少しづつ、対岸の木々も色付き始めた。
あっ!カワセミ…
翡翠色の翼を煌かせ、青い湖面を低く横切って飛び去った。
その翼に、しあわせを乗せて飛んでいったように思えた…かつてのわたし。
そんな想いをいを不意に思い出して、しばらく静かな湖面を見つめていた。

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やがて、数馬峡橋を渡って、森の中へと登ってゆく。

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小道には、秋の草花が咲き競う。

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蝶も舞う。

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白丸は玉堂ゆかりの地だという。

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ちいさな観音堂がひっそりと。
ここの観音様は秘仏にするようにという言い伝えで、扉の奥にしまわれているのだと言う。
陽の目を見ることの無い観音像は、素晴らしく美しい秀作なのだとか…

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ミゾソバが咲き続く道。

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秋の千草咲く道…降り返りつつ、この道を行こう。

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やがて、山道に…

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この先に切り通しがある。

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江戸時代、秩父方面から青梅宿に向かう交通の要所として、この切り通しが作られたそうだ。
つるはしだけで巨岩を砕き、道を開いていったそうだ。どんなに大変だった事かと思う。
火で岩を熱し、水をかけて急冷し、岩をもろくさせて砕いていったという、気の遠くなるような作業だ。
昔の人は偉いと思う。

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巨岩が聳える森の中、何だか岩に顔があるみたいに見えるのだった。

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向かい側には、巨木が聳え、祠が祭られていた。

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苔むした一本の木

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その下から望む、白丸の集落。

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コウヤボウキの花が風に揺れて、秋を思う。

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木々の葉の微妙な色合いを見つめながら、わたしは切り通しを越え、昔の人々の息吹を感じながら山を降りた。
かつて、この道を通って、行商に通った人々がいたのだと思いながら…。

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2008.10.26 Sun l 山と森 l COM(2) TB(0) l top ▲
10月初めの日曜日、鳩ノ巣渓谷を訪ねた。
普段はなかなか訪れる機会がないので、久しぶりのことだった。
鳩ノ巣駅を降りて、少し車道を歩き、遊歩道へと降りて行く。
木々の間から、輝く水面が見えてくる。

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渓谷を見渡せるギャラリー&コーヒーショップ。
差し込む陽光がガラス窓越しに差し込んでいい感じ。ちょっと寄り道したいようなお店だったけれど、今日は先を急いだ。

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このコースはずっと以前に一度だけ歩いた事があったけれど、もう、すっかり記憶の底に沈んでいた。
その時は、夏で川遊びの子どもたちが岩から渓谷へダイブしていたっけ。今はもう、秋。静かなものだ。
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鳩ノ巣小橋という、可愛い名前のつり橋を渡って向こう岸に渡った。

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鳩ノ巣渓谷は巨岩が累々とあって、その合間を縫うような水の流れが青々として美しい。
狭まった川幅も渓谷の趣をより強く感じる。大きな岩陰のあちらこちらに楚々と咲く薄紫のノコンギクの花が深まり行く秋を感じさせてくれる。咲き残るギボウシの花も綺麗だ。

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大きな岩を伝って水辺へと降りていく。

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カヌーの目線。

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涼やかな風が吹き渡り、陽ざしも柔らか…
青い水面を見つめるノコンギク。

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アザミ…

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いつまでもこの場所に座っていたい感じ。

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川沿いの道を辿れば、こんな籠が…持ち主はどちらへ?キノコ採りかしら?

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これは、何の暗号?

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岩の窪みの水溜りには

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去年の落ち葉が透き通っていた。

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赤い葉っぱ

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色ずき始めた木々

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白い星のよう

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自然の生け花だね。

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このコース唯一の登りだけれど、すぐに終わる。

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木洩れ日の道、まるで夏のような緑のシャワー

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タデ科の植物、アカタデ?だったかな?子どもの頃、「あかまんま」って言ってたっけ。

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道標…

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白丸ダムが見えてきた。

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あれは何?川岸に水の階段がある?

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なんだろうと思ったら、川を堰き止めてダムが出来ているため、魚がそれ以上、上流へ遡上する事が出来ない。
そんな魚たちが遡上をするための道、「魚道」だった。

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看板を読んで、初めて魚道ってどんなものを言うのか分かったのだった。

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魚道を見学できるらしい。鉄の階段を下りて地下に降りられるのだった。

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魚たちは、先ほどの階段を泳いで登ってくるのだ。凄い!

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ここが出口。魚たちは一路湖へと入っていく。

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白丸湖は青く澄んで美しくて静かな湖だった。

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独特の青さ、紺碧・・・いいえ、コバルトブルーです。

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そこへ滑るようにカヌーが…

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もう、一艇…

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今日は、カヌー教室のようだ。
色とりどりのカヌーが青い湖面に漂い、まるで花が咲いたようだ。

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湖岸のススキが秋の色

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月見草も、澄んだ秋風の色

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やっぱり、ノコンギク…

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湖岸の木々も秋色に染まりだす。

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ダムサイト

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もう一度、美しい水面を振り返る。

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そして、もうひとつの名所、数馬の切通しを目指したのだった。
続きは、また明日。

2008.10.23 Thu l 山と森 l COM(2) TB(0) l top ▲
アイリスが3~4年生の頃だったろうか。
NHKの“みんなの歌”という番組が好きだった。
そのなかで、この歌がアイリスのお気に入りだった。

   銀のじょうくんから、ゆりちゃんにお手紙
   でも、銀ちゃんは字がかけません
   だから、春には封筒にさくらの花を入れました。

   銀のじょうくんから、ゆりちゃんにお手紙
   でも、銀ちゃんは字がかけません
   だから、夏には封筒に拾った貝を入れました。

   銀のじょうくんから、ゆりちゃんにお手紙
   でも、銀ちゃんは字がかけません
   だから、秋には封筒に真っ赤な落葉を入れました。

   銀のじょうくんから、ゆりちゃんにお手紙
   でも、銀ちゃんは字がかけません
   だから、冬には封筒にすくった雪を入れました。

   赤いポスト
   白い封筒
   鳥の切手…


『わたしね、この歌が凄く好きだったの。銀ちゃんて、とってもロマンチストだと思うわ。何だか、目に浮かぶのよ。その白い封筒が…そんなお手紙貰ったら感動しちゃうよね。
それに、最後のフレーズがすごくいいわ。赤いポスト 白い封筒 鳥の切手…色がとっても綺麗でしょ。あの頃はカワセミの切手だったよね。何だかふわっと浮かぶのよ。』と、アイリスは言った。

ほんとね…おかあさんも、その歌をよーく覚えているわよ。今でも目に浮かぶわ…
それに、あの頃のあなたの姿も目に浮かぶわ。いつも長い髪を編みこみにして、お下げに結ってあげると、大きな黒目がちの瞳でじっと鏡を見つめてた。そんな女の子だったのよ…

土曜日の午後、所用で出かけた車中での会話にしばし癒されたのだった。

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2008.10.20 Mon l 追憶 l COM(6) TB(0) l top ▲
秋の野に咲く、ノコンギク
ひっそりと憂いの色に染まる…

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渓谷の岩の上にもひっそりと

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揺れるつり橋

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岩を刻む渓流

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星空のようなドクゼリの白い花

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アザミの紫

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ノブキの小さな花

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ノブキの緑の実

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ちいさなどんぐり…

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千草咲く道、

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待宵草のレモン色

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金平糖のような、ミゾソバ

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コウゾリナ、優しい響き

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ホトトギス…ホトトギス…ホトトギス

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金木犀の香る道…

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赤い葉っぱ
緑の木の実
青い青い高い空…

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秋は透明な紫…

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2008.10.19 Sun l 山と森 l COM(0) TB(0) l top ▲
十六夜の月に想い重ねて
いつか、こんな夜があった。
いくつも、こんな夜を越えてきたと思った。

越えても、越えても、
いつかまた、訪れるものなのかも知れない。
人の世の悲しみも、苦しみも、
そして、喜びも…

空蝉の瞬きのそのなかに、
繰り返される、ただそれだけ…

十六夜の月に想い重ねて
金木犀の香り零れて、神無月の静けさに漂う。
煌々と射す、月明かりを浴びて佇む
いつか、こんな夜があった。

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2008.10.18 Sat l 追憶 l COM(0) TB(0) l top ▲
涼やかな秋晴れの一日。奥多摩湖を訪ねた。
奥多摩湖は山上の美しい湖なのだが、いつも手前の山を歩いていて、なかなかこの湖まで到達しない。
わたしが、この湖を訪れるのは、春のスミレやカタクリの季節の御前山に登る時と、奥多摩湖側から雲取山に登る時、峰谷の奥から鷹巣山に登る時、そして、小菅村周辺の山に登る時ぐらいだった。

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本当は、まだまだ、素敵な山や登りたい山が、この奥多摩湖の周辺にはたくさんあるのだけれど、あまり早く家を出る事が出来ないわたしにとっては、少し遠いのでいつもなかなか足が向かない。
ところで、今日は、奥多摩湖にある山のふるさと村を訪ねてみようと思っている。
南岸に遊歩道が付けられ、ダムサイトからこの山のふるさと村まで15kの散策ができるのだ。
わたしは、途中の峰谷橋から、湖上にかけられたドラム缶橋を渡って行くことにした。

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ドラム缶橋を渡る前に、小さな半島になった丘の上にある小河内神社に登って見た。
高い所から見た奥多摩湖を見渡して見たかったからだった。
長い坂をほんの少し登りつめれば…

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こんな景色が眼下に広がった。

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境内には大きな桜の樹があって早くも色づいた赤い葉っぱが散っていた。
ここでもやっぱり、葉っぱを並べてみた。

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コウヤボウキの花が、たくさん風に揺れていた。なんとなく、儚げな花だと思う。

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ヤクシソウは光に透けてとっても綺麗。山肌を彩るように散りばめられて咲いていた。

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なんの果穂かしら?あちこちでキラキラ光っている。

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歩くとゆらゆら、パタン、パタンと鳴るドラム缶の浮橋を渡って対岸へ行く。
湖面はキラキラ日差しを反射して眩しく光り、湖面を渡る風はとっても爽やかだった。

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山のふるさと村へは、ここから約2.5キロの距離だ。のんびりと歩いていく。

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ほどなくして、細い川が流れ込む入り江に着いた。

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流木が絵になる。

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入り江は静かで誰もいない。わたしは川原の石に腰を下ろした。
涼やかな風に吹かれていると、ここが奥多摩であることを忘れてしまうほど、閉ざされた入り江は美しかった。
絶えず吹きつける風は少し強かったけれど、心地よかった。わたしはここで昼食をとった。

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やがて数人の人たちがやってきて思い思いに遊んでいる。
いいなぁと思いながら和やかに見つめていた。

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やがてわたしは入り江を後にして広場へと向かっていった。

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山のふるさと村に着くと、売店や食堂、クラフトをさせてくれるログハウスなどがあった。
ヤマセミのトーテンポールが、見守っている。

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カツラの並木道が色づき始めた。

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桜も色づき始めた。

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さぁ、今日はこれで帰ろう。わたしは来た道を辿り、峰谷橋へと戻ったのだった。
それにしても、あの入り江は素敵だった。
2008.10.15 Wed l 山と森 l COM(4) TB(0) l top ▲
今日は、朝から素晴らしい晴天の秋空だったけれど、
ちょっと疲れたかなぁ…。何だかエンジンがかからない。
家族もみんな休日ということもあり、もう1度、お布団にもぐりこみ
久しぶりに、ちょっと朝寝坊。日ごろの睡眠不足をちょっと解消できたかも。

洗濯も、お布団干しも、お掃除も、いつもよりのんびり念入りに…(*^_^*)
それはそれで、気持ちがいいものだ。
3時のティータイム、のんびり紅茶を飲みながら、窓の外を眺めていた。
窓辺のレースのカーテン越しに、午後の日差しが揺れていた。
出窓には、夏の頃から咲いているブライダルベールの白い花が咲いている。
たまにはゆっくりCDでも聴こうかな…

手持ちのCDをラックから手にとって選んでいたら、友人からメールが届いた。
“今、江ノ島に来ているよ。”
海からの風が吹いてくるような、海辺に佇むホテルの写メール…。
「あっ、ホテル・カルフォルニアが聴きたい!」と思ったけれど持っていない。
そうだ、湘南だもの、サザンを聴こう…

  ♪~彼女が髪を指で分けただけ それがしびれる仕草…
     心にいつもあなただけを映していたの
     愛は言葉じゃなく、ふたりだけのstory…

ああ、やっぱり、サザンはいいなぁ。。。
また、復活して欲しいなぁ。。。

懐かしい曲を聴きながら、江ノ島の風景に想いを馳せる…
そんな素敵な午後だった。

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2008.10.13 Mon l 日々の想い l COM(0) TB(0) l top ▲
プチ・ファーブルと賞賛された絵本画家がいる。
その人は、熊田千佳慕(ちかぼ)さん。今年97歳の現役画家だ。
先日、何気なくテレビを見ていて知ったのだった。

穏やかで柔和な笑顔、時々、少年のように輝く悪戯っぽい目をしていた。
熊田さんの描く絵は、繊細で緻密で、リアリズムに徹した昆虫画なのに、
何故か不思議な優しさと温かさと、ファンタジーを感じるのだった。

ライフワークとして、ファーブル昆虫記のなかの昆虫たちを100匹選んで描いているそうだ。
今、60匹まで描いたので、まだまだだと話された。
たくさんの素敵な言葉をお聞きしたので書きとめてみた。

-虫と向かい合って、虫の目線で見つめます。
  見るだけでは駄目です。見つめて見極めないと…と笑顔で話す。

-よく、絶滅と言う言葉を聞きますが、あの言葉は好きではありません。
  虫はそんなに弱いものじゃない。どこかで、必ず、生きています。

-愛は言葉ではありません。目で見詰め合うことで伝えるものだと思います。
  虫も同じです。虫たちも目で愛し合っているのです。

-自然は、美しいから美しいのではない。愛するから美しいのです。

熊田さんは、子どもの頃、病弱で、庭で花や虫を見て過ごす少年時代だったそうだ。

-5歳ぐらいの時、藤の花に飛んできたクマンバチの背中を触りたくて、ピョンピョンと飛び跳ねていたんです。黄色のビロードのような毛に触れてみたかった。そしてやっと触れた時、嬉しかった。その時感じた指先の感触とときめきをまだ覚えていますよ。あの時からずっと、そのときめきが続いています。
-ボクは、ときめかなくなったらおしまいだと思っています。今も、美しい人を見たらときめきますよ。
 そう言って悪戯っぽく笑った。

熊田さんは、ミツバチが一番好きだと言う。

-ミツバチがわたしに止まった日は、何かいいことがあるんです。
  ミツバチは幸せを運んでくれると思っています。
  97歳の今、一日、一日を大切にしたいですし、出会った人を大切にしたいです。

出逢った人には自筆のカードを贈っているのだそうだ。
目の前で、細いペンを走らせて、白いカードの真ん中にミツバチを描いていく。
そしてそのミツバチが、花を携えて飛んでいる絵になり、ミツバチの周りだけブルーの絵の具で空を描いた。
白の余白の中に、ローマ字のサイン。
そのシンプルで繊細なデザインに美的センスがうかがえた。
そして、今にもカードの中から飛び出して来そうなミツバチの羽音が聞こえてきそうだった。

わたしは、そのお話を聞いていて胸が熱くなった。
なんだか生きていく喜びとエネルギーを教えられた気がしたのだ。
自然を、虫たちを愛する心で描かれた熊田さんの絵本を欲しいと思ったのだった。

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2008.10.11 Sat l 日々の想い l COM(2) TB(0) l top ▲
お誕生日のカツラに逢いたくて、出かけた。

里にはキバナコスモスの明るいオレンジ色が咲き始めた薄紅色のコスモスと、
おおらかなダリアの真紅の彩が、彼岸花の炎のような朱色と競い合っていた。

わたしは、9月って夏と秋の狭間で、ひそやかな情熱を秘めた季節なのかも知れないと思った。

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深い森が息づく日原の谷の奥の奥に、人知れず力強く生き続けている巨樹がいる。
わたしは、このカツラの樹が好きだ。時々、逢いたいと思ってしまう。

いままで、季節ごとのカツラに逢いに行った。
11月、散り敷いた枯れ葉色に包まれたカツラ、早春の名残り雪の中のカツラ、
4月の芽吹きの頃のカツラ、6月の雨樹の森のカツラ、
そして、まだ見ぬ、9月のカツラに逢ってみたい。錦秋のカツラには、まだ早いだろうけれど、少しは色づき始めているかもしれなかった。

わたしにとって長沢谷のカツラは永遠の憧れなのだった。

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風薫る5月…。ニセアカシアの白い花が、甘く優しく香っていたアカシア橋を越えていく。
今日は、秋色のシュウカイドウの花咲く道…朝陽に透けて花びらが輝く。

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ひとつ、ひとつ、小さな薄紅色の明かりが灯っている様で、可愛くて、わたしは立ち止まって何枚も撮ってしまった。

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     薄紅の火影のごとき秋海棠 君に憧るる想い見つめり

まだ、朝露に濡れた草むらに、そっと足を踏み入れれば、小さく見つめる青い瞳はつゆ草の花。
しめやかに朝へのくぐり戸を開いてくれていた。
「おはよう…今朝も、涼やかな瞳をありがとう。」思わずそっと語りかける。

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    清らかに朝露おきて碧なす つゆ草そよぐ野道辿らん


懐かしい稲村岩が見下ろす山里にさしかかれば、あの日と同じ、薄紫の紫苑の花咲く…
優しげな面影が滲むような、その花色の薄紫が、ゆかしくて立ち止まる。
あの日は、たくさんのセセリチョウが集まっていた花影に、今朝はヒョウモンチョウが舞っていた。

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    紫苑咲き蝶舞う里がゆかしくて 夢を語りし日々懐かしむ



そして、日原川を遡れば、絶え間ない瀬音がわたしを包んでくれる。
夏の日の瀬音よりも、繊細に聞こえるのは、涼やかな秋風のせいだろう。

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初秋の渓は、優しさを分かつように聞こえる…。

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そんな岸辺に佇むカツラの巨樹がいる。健やかに佇む姿が美しく天を目指す。
白波を蹴立てて流れる渓谷沿いに大きな岩を抱え込むようにして立っている。
長沢谷のカツラに辿り着く前に、ガニ沢のカツラを訪ねた。

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林道をはるかに辿れば、名栗沢という沢に至る。この沢を挟んで、沢の手前のガレ地と
上流部の樹林の中に、どちらも素晴らしく大きなトチノキがいる。

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ガレ地のトチノキは、豊に生い茂る枝葉で、幹や根元は見えない。
春先には甘い香りの白い花をたくさんつけて虫たちを招いていた。
木の上に花を付けるので咲いている姿を見るのは難しいけれど、ここのトチノキは、目線より低い位置にあるので崖の上からだとその花を良く見ることが出来るのだった。

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秋になると真っ先に色づくトチノキも、まだ、緑豊かだった。
ガレ場の草地には、こんもりとした富士アザミの花が、棘だらけの葉をまとって咲いていた。

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存在感があるその姿に、逞しさを感じる花だけれど、たくさんの蝶や蜂たちがひっきりなしに訪れては蜜を吸っていた。

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山には山の 憂いあり 海には海の 悲しみや
   まして心の 花園に 咲きしあざみの 花ならば
高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を 一筋に
   くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが思い…


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子供の頃、どこかで聞いたこの薊の歌の意味が良く分からなかったけれど今なら何だか分かる気がする。

何の花だろう、白い小さな花が咲いている。きれい。

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この白い花は、濃い紫の実がなるヨウシュヤマゴボウの花、可愛いいね。

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草の穂が日差しに輝く…

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小さな草地にも秋色の風…草の秋。そう呟いてカメラを向けた。

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他の木々よりも頭一つ抜きん出て聳えるトチノキがある。ここは鍛冶小屋窪といわれる沢。
林道からもはっきりとその姿が見える。傍まで登ればその偉大さに心揺らぐのだった。

林道からその姿を眺めつつ、通り過ぎてゆく、どうぞいつまでもそこに生きて…祈りにも似た思い。

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やがて唐松谷への登山道を分け、さらに林道を詰めれば、長沢谷への登山道に到着する。
ここにもフジアザミの花がたくさん咲いて、ミドリヒョウモンやセセリチョウが集まっていた。

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手をそっと差し伸べれば、翅が痛んだミドリヒョウモンが、ふわりと乗ってくれた。
「あなたは、ずいぶん翅が痛んでいるのね。がんばって飛んだのね。」思わずそんな言葉で話しかけてしまう。

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セキヤノアキノチョウジ、とっても長い名前のこの草は、絶え間なく風にそよいでいる。
その美しい青紫の花色がとても好きで、いつも立ち止まって見とれている。

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揺れる小さな花姿を写すのは難しい。緑をバックに写したくて何枚もシャッターを切った。

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上空の空は爽やかに晴れ渡り、森の中の草地には、清々しい秋風が吹いていた。
林道から覗き込めば、沢音が響き、木々の間越しに、深い谷を流れる川面が見える。

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ここから少し下って川岸に降り立てば、その先に、逢いたいカツラの樹が立っているのだ。
わたしは、胸がドキドキした。お誕生日に、逢いたかったカツラに逢うって、なんだか恋人に逢いに行く心境なんだもの。

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一筋に伸びる登山道を一気に下ってゆけば、ところどころにノコンギクの花が咲いている。

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早くも色づき始めた枝もあった。
やがて瀬音が近づき、明るく開けた渓谷が現れる。

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昨年の台風で流された丸木橋の変わりに、真新しい小さな橋が川に掛けられていた。
以前の橋は風雨にさらされいい味を出していたけれど、この小さな橋もいつの日か味わい深い渓流の橋となる事だろう。

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カツラの巨樹は、この川を離れてほんの少し登山道を登ったところに立っている。

この谷から大ダワを経て雲取山へと向かう登山者は、必ずこの巨樹の脇を通るのだ。
カツラの樹は、四季折々の姿で、往き帰りの登山者たちを見守っているような気がした。

わたしは橋を渡るのももどかしく、カツラの樹の根元へと駆け寄った。

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「こんにちは…逢いに来ました。あなたに、逢いたくて逢いにきたのよ…」と、語りかけながら。

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カツラの幹にそっと触れると、『よく来たね。』と言われた気がした。

『カツラの樹さん。子供たちのことを見守ってくださいね。』と、心の中で語りかけた。
なぜかな?わたしは、あなたにそう祈らずにはいられない…

すると、『だいじょうぶだよ。』と、言われた気がして、ホッと心が安らぐのだった。


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9月のカツラは、まだ青々とした夏の姿だったけれど、苔むした根元には、黄色く色づいた葉がパラパラと散っていた。

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『カツラの葉はね。うちわのような丸い葉だよ。秋には綺麗な黄色に染まるんだよ。覚えておくといい…。』

早春の森で、萌え出したばかりの、柔らかな黄緑色の小さな葉を見上げながら、あなたは教えてくれたのよ。

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覚えているかしら…。わたしは、いまでもありありと浮かんでくるわ。木漏れ日に透き通るような緑のそよぎを…。

「だから、カツラの樹がこんなに好きなのかもね…」と、そんな独り言を呟いてみる。

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夕べ降っていた雨の滴が溜まった葉っぱ。

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色づき始めた落ち葉を拾っていたら、ちいさなカエルさん。
タゴガエルかなぁ?手のひらに乗せたらじっとしている。一眼レフを片手で持ってシャッターを切る。

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木洩れ日の中で…「いのちの祈り」って、タイトルどうかしら?(笑)

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流れは本当に清らかで、その波に洗われた樹が水際に立っている。
まるで、ニンフのような立ち姿の樹や流れをまたぐように大きく曲ったミズナラの樹。

この谷には、美しい樹たちが息づいているのだった。

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澄んだ流れのほとりに座り、冷たい水に両手を浸せば、こころはいつも、純粋だった日々に戻っていくのだった。

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大小さまざまな石が流れの中に点在し、その濡れた岩の上には、真っ先に枝を離れて舞い降りたあわてんぼうの木の葉たちが思い思いの場所に下りていた。わたしは、微かな初秋の旅情を感じてカメラを向けた。

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この木の葉たちも、いつか波にさらわれて流離の旅に出るかもしれない。
今日見たこの景色は留まりはしないのだろう。

わたしは、ちょっぴり、感傷に浸りながら、まだ、夏の名残を残しているような緑の谷を歩いた。

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苔むした岩、朽木に生えたきのこ、雨水を溜めた落ち葉、緩やかにカーブする川…
去年の落ち葉に舞い降りた今年の一葉、木々の根元に咲いた名も知らぬ花。

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全てが何かを語りかける…わたしは、緑の谷に溶けてしまいそう…。

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帰り際、もう一度カツラの樹を振り返り、また、黄葉に燃える季節の再会を約束した。
そして落ち葉を並べて、サインを送り、わたしは、この谷を後にした。

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林道へでると、午後の木漏れ日に草原の薊が輝いていた。

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倒木にも日差し零れて…

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木々も照り輝く…

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セキヤノアキノチョウジの紫色
小さな、ハチは、こんな小さな花の中までも潜って蜜を集めるんだと知った。健気だなぁ…

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空は夏の名残りを微かに残しているような、秋の青い空、
夏の白い雲のような雲もどこか優しげな秋の雲、9月の空は夏と秋の行き会いの空だね。

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青空に崖の上のススキがそよぐ。

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日原の集落に降りてくると、光芒のなかに稲村岩が浮かび上がった。
「今度こそ、あの稲村岩に登るわ!待っていてね、稲村岩!」
わたしは、心の中で稲村岩に約束した。

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そして、わたしは防護壁に群れて咲くギボウシの花に別れを惜しんだ。
9月の空は暮れてゆく、思い出に残るお誕生日になったと思った。

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2008.10.09 Thu l 山と森 l COM(4) TB(0) l top ▲

涼やかな秋空に飛ぶ、無数のトンボたち。
風に乗り、飛ぶ姿は、何故か心惹かれます。
尾瀬にある至仏山、今年の夏に、友人のこいちゃんが登頂して来ました。
その時、本当にたくさんのトンボたちが、至仏山の頂を飛んでいたそうです。
何かに導かれるように…こいちゃんは、その時の感動をこう綴られています。

そして、『尾瀬を舞台にした壮大なトンボの物語が出来ないでしょうか?』と提案されました。
このお話を伺い、こいちゃんの写真を拝見しているうちに、スイとトトとララという、トンボの三兄弟を主人公にした物語が、漠然とわたしの頭の中に浮かびました。
時々、立ち止まりつつ、時間がかかりましたが、なんとか書きあがりました。
挿絵としての写真は、こいちゃんにセレクトしていただく事になっています。
こいちゃんとsizukuのコラボレーションと言う事になります。
この物語りをこいちゃんに、お届けしたところ、先行してアップしてくださいとの事でしたので、挿絵なしの童話ですがアップいたしました。

尾瀬散歩 トンボ物語

もし、よろしかったら、ごらんくださいm(__)m

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2008.10.07 Tue l 未分類 l COM(4) TB(0) l top ▲
先週の金曜日から、山梨にいる長女の具合が良くないという。
風邪をこじらせたらしく、熱が下がらず、喉もひどく痛い、体がだるくて全く食欲がない。
土日で、手伝いに行こうかと思ったが、『大丈夫、寝てれば治ると思うから…』と言う。
近ければ、ちょっと行って看てあげることも出来るが、遠いので大げさになってしまうのかなと思い遠慮した。

でも、一向に良くならず、心配になり、火曜日の夜に、娘の夫に、「実家に連れて帰って少し良くなるまで、面倒を看たいんだけれど、どうかしら?」と、提案した。
彼も『判りました。お願いします。』と言う返事だった。
水曜日に会社を休んで、アイリスの運転で迎えに行こうと思っていたら、仕事の調整をして、朝、彼が娘を送ってきた。

早速、娘が幼い頃からかかり付けだった医院に連れて行った。
『咽頭炎です、ほうっておいたら治りませんよ。しっかり薬を飲んでうがいを良くして、温かい飲み物をたくさん取ってください。』と、アドバイスしていただいたそうだ。

飲み物も喉を通らないと言う娘に、りんごを摩り下ろしてあげた。
わたしが風邪を引いた時、母がいつもそうしてくれたように、わたしもまた、子どもたちが風邪を引くとそうしてあげていた。
娘は、『おいしい~♪子どもの頃、おかあさんに看病してもらったのを思い出すわ…』と言って、残さず食べたのだった。
アイリスは、『そりゃそうでしょう。おかあさんの摩り下ろしりんごは、最高においしいもの!わたしも風邪の時に、作ってもらうのがすごく好きだったわ。』なんて言っている。
お昼には、だいぶ元気が出てきた。娘は、『不思議、実家に帰ってきたら何だかお腹が空いてきたわ。久しぶりに、ラーメンが食べたい。』と言い出した。
「え~?大丈夫なの?でも、“風邪は、食いしん坊だからね。食べたいものを食べれば良くなるよ”って、おばあちゃんが言ってたわ。気分が良いなら、ラーメン屋さんに行こうか?」
と言う事で、アイリスの運転で、ラーメン屋さんへ。
長女は、『喉が痛いけど、でも、すごく美味しい~♪』と言って、ラーメンと餃子をペロリと平らげた。
家に帰ってきて、布団を引いてあげ寝かせると、『実家って、いいね…」と言う。
氷枕やシップで冷やしてあげると、すぐにスヤスヤと眠りだした。
『おねえちゃん、かわいそうに、よっぽど疲れているのね…』と、アイリスがぽつりと言った。
『わたし、お姉ちゃんの好きなケーキを買ってきてあげる。』そう言って、アイリスは、また、出かけていった。

夕飯には、鍋物がいいかなと思い、海鮮寄せ鍋にした。最後の仕上げは雑炊にした。
娘は、『おいしい、やっぱりおかあさんの味だわ!この雑炊、食べたかったぁ~』なんて言っている。
久しぶりの家族が揃った団欒だった。
リンパ線が腫れていて痛々しい姿だったけれど、長女はだいぶ元気を取り戻していた。
ぐっすりと眠っている寝顔を見ていたら、小さな頃の面影が浮かんだ。

娘が寝た後、外に出たら、久しぶりに、星が瞬く晩だった。どこからか、金木犀の香りが流れてきた。
ああ、もう、金木犀が咲く季節になったのだと思った。
金木犀の香りには、今は亡き母の思い出がある。
だから、秋になって、初めてその香りに気が付いた時は、いつも胸がキュンとなるのだけれど、今夜は特に、母がすぐ傍で見つめていてくれるような気がした。
わたしが、嫁いで、風邪で寝込むと、良く母が看病に来てくれた。ありがたかったなぁと思う…。

母から、娘へ、そして娘から、その娘へ…親の想いって伝わっていくのだと思った。

今日は、午後から娘を、山梨に送っていく。

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2008.10.04 Sat l 未分類 l COM(8) TB(0) l top ▲
ちょっと曇りがちな日曜日。どーしようかなぁ…と思いながら空を見ていた。
でも、自転車を漕ぐには、涼しくていいんじゃないかなと思い切って家を出た。
茶畑を軽快に漕ぎ出せば、野の草も、輝きを増してわたしを包む。

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鳥たちも囀りながら、野を渡る。「おはよう!」誰もいないから、声に出して言って見る。
思わず心解けて、笑顔になっているわたし。
これから始まる冒険に、こころは膨らんでいく。
最寄の駅で、素早く自転車を袋に詰めて、担ぎ上げる…うーん、逞しくなるわけだよ^^;
ローカル線に揺られながらもう1度地図を確認する。そして、出発はこの駅から。

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表通りを行かずに、趣のある街中を行く。
緩やかにカーブする旧道沿いに古い建物が残る商店街は、懐かしい匂いがする。

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わたしの、空色号も、街並みの一部に、ちゃっかり治まってる。

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街角に残る水道。そう言えば、わたしが子どもだった頃、こんな風に街の中に水道があったものだった事を思い出したりする。

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その傍で、ホトトギスの花が咲いてる…

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この道の先の川に架かる橋を渡っていく。

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知らない町を、どこまでも自転車で走っていく。
あちこち寄り道しながら、走るって素敵。

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線路沿いに田園風景が広がり、彼岸花が咲く道

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コスモスが咲く道…

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通りすがりの小さな神社にお参りをして、

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かわいい、ちいさなマメアサガオ?に足を止める。
(このお花は、マルバルコウソウと、むじなさんに教えていただきました。むじなさん、いつも教えていただきありがとうございますm(__)mこれからも、よろしく~♪)

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野辺に咲き出したセイタカアワダチソウは、ひっそりと秋を謳っているね。

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森に囲まれた小さな谷津田も実りの時、

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畦で、ひとり黙々と稲の束を担ぐおかあさん。

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何だかお手伝いしたくなる…

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丸太を組んだ稲垣。

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その下に彼岸花、燃ゆる…

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ここにも、コスモスが花盛り。柔らかな花色に、こころ和むひと時だ。

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美しい田の風情は、日本の原風景だと思う。

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こちらの田んぼも稲刈りが始まったようだ。

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心落ち着く路地、地図を広げれば、この先にあるのは高野倉だ。
サイトの友人のMさんの住む高野倉は本当に素敵な里山だ。行って見たかったなぁ。

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田の畦に、一叢、二叢、と咲く彼岸花を撮ってみたいと思っていた。
わたしの思い描く風景に、少し似た光景に出会えた。

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こんな光景も、思い描いていた光景。

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刈り入れの済んだ田んぼ

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茅葺屋根の民家は、立派な佇まいだった。

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千草咲く…。

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こちらの民家も立派だった。

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真っ赤な花が一面に咲き誇っていた。

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ちょっと、寄り道をし過ぎてしまった。ちょうどお昼になったので、大きな交差点にあるコンビニで、おにぎりを調達してお店の外で昼食にする。
幾組かの自転車乗りたちも、休憩中だった。みんな色とりどりのウェアーに身を包んでかっこいいなぁ。なんて思いつつ眺めていた。
もう1度、地図を確認する。「やっぱり、この道をまっすぐ行けばいいんだわ。」と呟く。
本当は、お昼に目的地に着く予定だったけど、これじゃ目的地まで着きそうにないから、ここからスピードアップすることにした。
結構大きな坂が、アップダウンを繰り返し、3つほどあって、頑張って登った。ふー^^;
たくさんのロードバイクの自転車が、わたしを追い越していく。
でも、わたしだって頑張ったのよ。一度も自転車を降りずに登りきったもの!(^。^)

やがて、ニュータウンの住宅街を越えて、いっきに坂道を下っていくと目指す森に着いた。
この森はサイトの友人のTさんたちが主催するNPO法人が管理されている森だ。
数週間前、Mさんに、車で案内していただいたばかりの見覚えある駐車場が見えた時は、「やったー!!」と思わず呟いていた。
今回は、何とか自力で辿り着く事が出来て嬉しかった。
駐車場には、車は1台もなく、森の中はひっそりと静まっていたけれど、せっかく辿り着いたのだからちょっぴり探検させていただく事にした。空色君は駐車場で待機中。

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比較的若木に覆われた林の中に入っていく。

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ところどころに、湧水の水路が延びている。

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静かな森に踏み入れば、少し寂しさに包まれたけれど、すぐに頭上には何十羽の鳥たちが集まってきた。
囀りながら忙しく飛び回るのはシジュカラだろう。ビービーとヤマガラたちの声もする。
コツコツと木を叩く音がする。コゲラがいるのかな?奥から飛び立った大きな鳥はカケスだった。

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どんどん奥へと入っていくと、動物観察用の定点カメラが仕掛けられていた。

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最奥にギボウシがある湿地に着いた。ここで道は不明瞭になったので引き返す事にした。

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アザミの花がひっそりと咲いていた。

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見晴らしの丘を探したけれど見つからなくて、小さな空き地に辿り着いた。

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しばらく空を仰いで見たが、鷹の姿はなかった。じっくり待たなければ、鳥は見れない。
でも、今日はもうそろそろ帰らなければならなかった。
わたしは、来た道をもどっていった。

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帰りがけに、小さな流れの上を飛ぶ緑色のトンボを見た。
本当に緑溢れる豊かな里山の森だと思う。でも、それは、Tさんたちが、仲間たちと汗を流し作り上げてきた環境なのだった。
『自然に任せるだけでは森は荒れ果ててしまう。人が手を入れることで、森は若返り、たくさんの動植物が育つ豊かな森へと変わっていくのです。』そう言ったTさんの言葉が蘇る。
『豊かな森と自然を守り残す事、それが後世へのプレゼントです。』そんな想いで汗を流し、惜しみなく働く仲間がいるって素晴らしい事だとしみじみ思った。

冬鳥たちの季節にまたお邪魔したいと思いつつ、わたしは森を後にした。
コスモスの花が咲き乱れる小高い丘からは、秩父の山並みが、幾重にも連なっていた。

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雲が湧く山並みが

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ススキの穂の向こうに浮かぶ

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わたしは、坂道を軽快に滑り降り、一路、出発の駅へと戻っていった。
帰り道は一気に飛ばしたので、1時間弱で駅に着いた。
次の電車の待ち時間は1時間、もっとゆっくりしても大丈夫だったと思いながら、次回は違うコースで走ってみようと、地図を眺めた。
わたしは、のんびりとベンチで寛ぎながら、今日のポタリングを思い出していた。
2008.10.01 Wed l 里山 l COM(8) TB(0) l top ▲