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プチ・ファーブルと賞賛された絵本画家がいる。
その人は、熊田千佳慕(ちかぼ)さん。今年97歳の現役画家だ。
先日、何気なくテレビを見ていて知ったのだった。

穏やかで柔和な笑顔、時々、少年のように輝く悪戯っぽい目をしていた。
熊田さんの描く絵は、繊細で緻密で、リアリズムに徹した昆虫画なのに、
何故か不思議な優しさと温かさと、ファンタジーを感じるのだった。

ライフワークとして、ファーブル昆虫記のなかの昆虫たちを100匹選んで描いているそうだ。
今、60匹まで描いたので、まだまだだと話された。
たくさんの素敵な言葉をお聞きしたので書きとめてみた。

-虫と向かい合って、虫の目線で見つめます。
  見るだけでは駄目です。見つめて見極めないと…と笑顔で話す。

-よく、絶滅と言う言葉を聞きますが、あの言葉は好きではありません。
  虫はそんなに弱いものじゃない。どこかで、必ず、生きています。

-愛は言葉ではありません。目で見詰め合うことで伝えるものだと思います。
  虫も同じです。虫たちも目で愛し合っているのです。

-自然は、美しいから美しいのではない。愛するから美しいのです。

熊田さんは、子どもの頃、病弱で、庭で花や虫を見て過ごす少年時代だったそうだ。

-5歳ぐらいの時、藤の花に飛んできたクマンバチの背中を触りたくて、ピョンピョンと飛び跳ねていたんです。黄色のビロードのような毛に触れてみたかった。そしてやっと触れた時、嬉しかった。その時感じた指先の感触とときめきをまだ覚えていますよ。あの時からずっと、そのときめきが続いています。
-ボクは、ときめかなくなったらおしまいだと思っています。今も、美しい人を見たらときめきますよ。
 そう言って悪戯っぽく笑った。

熊田さんは、ミツバチが一番好きだと言う。

-ミツバチがわたしに止まった日は、何かいいことがあるんです。
  ミツバチは幸せを運んでくれると思っています。
  97歳の今、一日、一日を大切にしたいですし、出会った人を大切にしたいです。

出逢った人には自筆のカードを贈っているのだそうだ。
目の前で、細いペンを走らせて、白いカードの真ん中にミツバチを描いていく。
そしてそのミツバチが、花を携えて飛んでいる絵になり、ミツバチの周りだけブルーの絵の具で空を描いた。
白の余白の中に、ローマ字のサイン。
そのシンプルで繊細なデザインに美的センスがうかがえた。
そして、今にもカードの中から飛び出して来そうなミツバチの羽音が聞こえてきそうだった。

わたしは、そのお話を聞いていて胸が熱くなった。
なんだか生きていく喜びとエネルギーを教えられた気がしたのだ。
自然を、虫たちを愛する心で描かれた熊田さんの絵本を欲しいと思ったのだった。

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2008.10.11 Sat l 日々の想い l COM(2) TB(0) l top ▲

コメント

熊田千佳慕さんのことは私も以前テレビで知りました。彼の絵本を書店に行くたびに探してはみるのですけど出会えません。通販でもいいんだけど、手にとってから買いたいんだよなあ…って思うのです。
2008.10.14 Tue l Shu. URL l 編集
shuさんへ
shuさんも、やっぱりご存知だったんですね(*^_^*)
そうなんですか、書店ではなかなかめぐり合えないのですね。手にとってから買いたいという、shuさんの気持ち判ります。わたしも多分そうだと思います。
テレビでは、ミツバチがゲンゴロウに案内されて水中の世界を旅するお話を紹介していました。
千佳慕さんのオリジナル絵本だそうです。その本も見てみたいと思いました。
それと、コオロギが愛を奏でている絵がありました。それも見てみたいです。翅を震わせながら眼と眼で愛を語っているのだそうです。
2008.10.14 Tue l sizuku. URL l 編集

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